工事遅れの広島高速5号線 5年ぶり再評価は「事業の継続が妥当」 完成は2028年度見込み
広島ニュースTSS
工事が遅れ、費用が大幅に膨らんだ広島高速5号線をめぐり、5年ごとに事業の継続が妥当かを専門家などが検証する会合が開かれ、継続が了承されました。 広島高速5号線の事業評価監視委員会は、大学教授や弁護士などの委員で構成され5年ごとに開かれています。 6日の会合では公社の担当者からJR広島駅北側からのトンネル工事が先月末時点でおよそ87%完了しているなど工事の進捗状況や道路開通による経済効果が説明されました。 高速5号線の総事業費は工事の遅れなどで5年前から30億円増加し、広島市が整備する道路などを含めて1501億円まで膨らんでいます。 ただ、公社側は渋滞の減少や走行時間の短縮による経済効果が、事業費を上回っていると説明しました。 委員からはコストの削減について質問があり、公社側は、トンネルの掘削工事などで出た土を再利用していることなどを挙げました。 【元近畿大学教授・高井広行委員】 「今までいろいろ問題があったかと思いますが、早く事業を完成させて、共用されることを切に願っています」 委員会は事業の継続は「妥当」だと判断しました。 順調に工事が進めば道路全体の完成は2028年度となる見込みです。 <記者の目> 取材をした胡子記者によりますと、公社側は事業にかかる費用と、道路が完成することで得られる費用対効果を“費用便益比”という数字で算出しています。今回の評価は、1.02です。 1.0を超えると費用を利益が上回りますが、工事期間の延長や建設資材費の高騰などで事業費が増加し、前回評価(5年前)の1・1と比べて下がっています。 ただ公社側は、『広島高速1号線~3号線と一体となって大きな効果を発揮する』と評価されているほか、『交通の分散による渋滞緩和や広島東部地域、広島空港との広域的なアクセスの強化』などが期待できると説明しています。
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