福田正博氏 初戦落とした悲観的な空気感に苦言
今回のワールドカップ(W杯)ブラジル大会では、初戦を落としたギリシャ、ウルグアイが決勝トーナメントに進出している。日本が初戦のコートジボワールに敗れた際、メディアでは、前回大会は初戦黒星でグループリーグを突破したのは優勝したスペインのみで、32か国開催になった98年以降のデータでは、決勝トーナメントに進出できる確率は8.7%と報じていた。
元日本代表のサッカー解説者、福田正博氏は「選手たちも意識していたと思う。これはいけないこと」と、報道を含めて作り出された悲観的な空気感に苦言を呈する。 「初戦がダメだったからといってグループリーグを突破できないなんてことはない。振り返った時に初戦の入りが悪かったねというのはよいけれど、初戦を落とした時点で『もう終わったかな』と思った選手もいたと思う」 こうした日本人にありがちなメンタリティを変えていく必要があるという。「サッカーで2対0は危険なスコアとよくいわれる。『なんで2点差あって危険なの?』と勝っている方は思えなくてはいけない。そうでなければ、どんどん自分たちを追い込んでしまって、1点返されると『やっぱり危ないぞ』となる。ここのメンタリティを変えなくてはいけない」。 こうしたメンタリティは日本人の慎重さを表すものでもあるが、ザッケローニ監督の「コップに半分水が入っている」のか「半分しか入ってない」のか、という言葉を例に出し、「初戦を落としてしまったのか、初戦を落としただけなのか、ここの考え方で次へのステップが変わってくる」と、大舞台での心の持ちようの大事さを説いた。