センバツ2024 粘り見せた高知に拍手 3年連続の初戦突破ならず /高知
阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で開かれている第96回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)第4日の21日、3年連続21回目の出場となる高知は1回戦で広陵(広島)に1―3で惜敗し、16強入りした前々回と前回に続く3年連続の初戦突破はならなかった。それでも、昨秋の中国大会王者でセンバツ3回優勝の強豪を相手に最後まで粘って戦った選手たちには、三塁側アルプス席から大きな拍手が送られた。【来住哲司、野原寛史】 【写真で見る歓喜の瞬間】歴代のセンバツ覇者たち 粉雪が時折舞うほどの寒さの影響で、体が硬くなったのか。昨秋は堅守を誇った高知の守備が乱れた。 一回無死二塁のピンチで、先発右腕・辻井翔大(しょうだい)が送りバント処理を一塁悪送球し、先制点を献上。三回には長短打を許してさらに1点を失った。捕手の片井翔太は「辻井はブルペンでは直球が良かったが、一回に浮いたり、ストライクを取ろうとして球威が落ちたりしていた」と悔やんだ。 全国屈指の右腕である広陵・高尾響に対し、打線は三回に先頭の7番・日野翔大(しょうた)がチーム初安打となる中前打。三塁側アルプス席で日野の父、大輔さん(50)は「夢の舞台で堂々とプレーできてよかった」と喜んだ。9番・片井の左前打などで1死一、三塁としたが、後続が倒れた。 五回から2番手右腕・平悠真が登板。父の文昭さん(45)が「練習試合で調子は良かった。失点しないように抑えてほしい」と見守る中、八回まで無安打投球を演じた。 その好投に打線も応えた。八回に先頭の6番・箕浦充輝の二塁内野安打を皮切りに1死二、三塁。打者・片井の2球目に三塁走者・箕浦は飛び出してしまったが、捕手の三塁けん制悪送球を誘って生還した。野球部保護者会の白井敬介会長(51)は「昨秋も逆転で勝ってきた。うちの展開だと思う」と力を込めた。 だが、平が九回に長短打を浴び、再び2点差に。その裏の攻撃は3者凡退で終わった。白井会長は「いい試合だった。選手はそれぞれ課題を見つけ、夏に向けて頑張ってほしい」とねぎらっていた。 ◇悔やまれる立ち上がり ○…高知の背番号10の先発右腕・辻井翔大は立ち上がりが悔やまれた。先頭打者に浮いた直球を右越え二塁打とされ、次打者の送りバント処理では「捕手と一瞬お見合いし、慌てて拾って握り損ねた」ために一塁悪送球。4回5安打2失点で降板し、右翼に回った。「ふがいない投球」と自らを責めた。前回大会では1回戦で八回途中1失点の好投。この日は「最上級生として絶対勝たなくてはと思い、昨年より緊張した」と明かし、「低めの制球力をつけ、マウンドで堂々とした投手になりたい」と誓った。