県、ボーリング調査同意 九州防衛局の申請で 瀬戸内町須手地区
防衛省が自衛隊の物資輸送の拠点として新たに整備を計画している港湾施設の適地検討に関連し、鹿児島県は17日、九州防衛局から申請のあった奄美大島の瀬戸内町須手地区での陸上および海上のボーリング調査に伴う各種申請などに同意、許可した。須手地区の海岸や空き地など海上15カ所、陸上3カ所に合計18本のボーリング調査を実施する。期間は11月17日から来年1月31日まで。 九州防衛局は瀬戸内町への説明や地元漁協の同意を経て、県へ調査に向けた協議や行政財産の使用許可を申請。県によると10月10、23、30日の3回に分け同局から申請があった。調査では、台船ややぐらなどを用いて陸上や海底の地盤に穴を開け、土サンプルなどを採取。地質の強度や深度の調査、測量などを行う。県は港湾法、海岸法、県の規則などに沿って審査し、17日付で各協議に同意。県が管理する荷さばき場などの使用を許可した。 須手地区では今秋から、各季節のアセスメントや有識者ヒアリング、関係機関協議などの把握を目的とした「環境調査」も実施する。入札結果によると、福岡県福岡市の日本工営福岡支店が契約し、履行期間は10月18日から2025年3月15日まで。契約金額は1億8700万円(落札率99・4%)。 南西諸島の防衛力強化に必要とされる基盤整備は奄美大島各地で進んでおり、陸自の奄美駐屯地(奄美市名瀬)と瀬戸内分屯地(瀬戸内町)関連の23年度予算は約109億円。古仁屋港周辺を候補地とする輸送・補給基盤整備の適地調査関連経費は約6億円を計上している。