日本ハム・福田光

　出会いもあれば別れもある。一層、この時期になれば思う。今年もプロ野球のドラフト会議が行われ、日本ハムは育成2人を含む8選手を指名。一方で22日には4選手が来季の契約を結ばない旨を通達され、ロッテから移籍2年目だった福田光輝内野手（26）もその一人だった。 　鋭い眼光にこわもてな風貌。加えて負けん気の強い福田光はその見た目で勘違いされやすいが、実は人懐っこい性格で誰からも可愛がられてきた。記者が一人、千葉・鎌ケ谷の2軍施設で練習を見ていると「清藤さん、仕事してるフリしないで下さい」とよくイジられたが、その笑顔は心優しい少年だった。 　そして誰もが「真面目」と口をそろえる。昨オフは一人、鎌ケ谷で自主トレ。打撃の確実性を上げるため、早朝からとにかくバットを振り込んでいた。同じく鎌ケ谷で練習していた伏見が語った「光輝は本当に真面目。ずっと練習をしている」の言葉に大阪桐蔭、法大で主将を務めたゆえんを感じた。 　その成果が発揮されたのが今年6月22日の楽天戦。右足首を負傷した水野の代役で緊急昇格すると、いきなり「8番・二塁」で先発出場し、2安打2打点でお立ち台にも上がった。同25日の西武戦まで3試合連続安打をマーク。今季わずか5試合の出場に終わったが、打率・357と努力の証を見せた。 　今後について福田光は「僕の気持ち次第です」と、現役続行については熟考することを明かした。厳しい世界であることは分かっている。ただ、まだ26歳。泥くさくてもいい。もう一度、はい上がって1軍で輝く姿を見たい。（記者コラム・清藤　駿太）