EVの「ゲームチェンジャー」 ヒョンデ・アイオニック5 N ベスト・パフォーマンス賞 AUTOCARアワード2024
バッテリーEVのゲームチェンジャー
ヒョンデ・アイオニック5 Nは、バッテリーEVのゲームチェンジャーといえる。電気自動車が中心の未来が来ても、運転する楽しさが残ることを証明してくれた。 【写真】ベスト・パフォーマンス賞:ヒョンデ・アイオニック5 N ベスト・サルーン賞:フォルクスワーゲンID.7 (134枚) アイオニック5 Nは、公道でもサーキットでも面白い、素晴らしい高性能ハッチバックだ。むしろ、たまたまバッテリーEVだっただけ、と思えるほど。 駆動用モーターとバッテリーの可能性を最大限に引き出し、高いエンターテイメント性を実現している。静かで劇的な加速だけでなく、マニュアル・トランスミッションをシミュレートし、擬似的な変速すら味わえる。 大パワーを受け止めるシャシーも秀抜。ドライバーとの一体感が高く、インタラクティブな体験を生んでいる。 ヒョンデが優れたドライバーズカーを作れることは、以前から明らかだった。高性能モデルのサブブランド、Nパフォーマンスを立ち上げ、有能な技術者を招聘。スカイブルーをテーマカラーに、完成度の高いホットハッチのi30 Nとi20 Nが開発されていた。 それから7年後、アイオニック5 Nが導かれた。しかも、運転体験をさらに磨いて。車重2.2tもある四輪駆動のバッテリーEVでありながら、アクセルの踏み加減でコーナリングラインを調整していける。至って自然に。
思わず運転へ夢中になってしまう楽しさ
サーキットでは、豪快なドリフトも可能。それでいて、繊細な操縦性も持ち合わせている。即時的に反応する駆動用モーターと知的に働くリアデフを組み合わせ、より軽い内燃エンジンの高性能モデル以上に、クルマとの一体感を深めている。 ボディサイズは大きく、システム総合で650psという剛腕ながら、反応は極めて自然。 ドライビングポジションは完璧で、ステアリングの反応は直感的。怯える必要はない。走り出せば、ひと回り小さく感じられるのは本当だ。 カリカリに飛ばさなくても、運転は楽しい。カーブが連続する郊外の道では、思わず夢中になってしまうはず。 聴き応えのあるエグゾーストノートとダイレクトな変速は、スポーツカーに欠かせないとお考えのクルマ好きは多いだろう。少し古い考えかもしれないが、そんな人のために、アイオニック5 Nではボタン1つでこれを擬似体験できる。 人工サウンドに不自然さはなく、シフトパドル付きの8速ATも、高度にバーチャルで再現されている。下手に変速すればギクシャクするし、駆動用モーターは線形的ではないトルクカーブを生み出す。