どうなる?12.8最終決戦で決まるJ1王者…広島の快勝で神戸と町田の3チームに優勝の可能性が残る大混戦…神戸が湘南に勝てば自力V
逆転劇が起こったのは2度。2005シーズンは首位のセレッソ大阪からガンバ、浦和レッズ、鹿島、ジェフ千葉の5チームが勝ち点2ポイント差で迎えた最終節で、試合終了直前の失点で引き分けたセレッソに代わってガンバが初優勝を達成。ガンバを含めた4チームがすべて勝ったため、セレッソは5位でシーズンを終えた。 2013シーズンは勝ち点62の横浜F・マリノスを2ポイント差で広島、3ポイント差で鹿島が追う状況で迎えた最終節でマリノスが前節に続く痛恨の連敗。鹿島との直接対決を制した広島が大逆転での連覇を達成し、マリノスの司令塔・中村俊輔(46、現・横浜FCコーチ)が人目をはばからずに号泣する姿が歴史に刻まれた。 当時の広島でDF塩谷司(35)とともに先発フル出場し、引退セレモニー前のこの日の札幌戦でも後半37分からピッチに立った青山は、思うように勝ち点を伸ばせない首位のチームへプレッシャーをかける、最終節へ向けた状況が2013シーズンに似てきたのでは、という質問にこう答えている。 「最後の最後までどうなるかわからない。ただ、自分たちはそう(優勝)できる力を持っていると信じている。僕が言うのならば、間違いないんじゃないですか」 上位3チームが置かれた状況的には、2011シーズンと酷似している。 前節で首位の柏が引き分け、勝ち点1ポイント差で2位の名古屋グランパス、さらに1差で3位のガンバがともに勝って迎えた最終節。結果は3チームがしっかりと勝利をゲットし、J2から復帰したばかりの柏が初優勝を決めている。あくまでも前例を参考にすれば、神戸が逃げ切る確率が高いといってもいいだろう。 そのなかで、ひとつだけ共通しているのは、3位からの大逆転劇は現時点でないという点だ。今シーズンでいえば、町田が逆転優勝を達成するパターンはひとつだけ。確率的にも厳しいが、キャプテンのDF昌子源(31)は京都戦後のホーム最終戦セレモニーのスピーチで、奇跡への絶対条件となる鹿島戦の勝利へ向けてこう語っている。 「自分たちがもっている、すべてのものを鹿島にぶつけたい」 データや前例がある一方で、サッカーを含めたスポーツが、筋書きのないドラマだといわれるゆえんが何度も繰り広げられてきた。予測不能の最終節は、神戸と広島、そして町田を含めた20チームが臨む全10試合が、8日14時に一斉にキックオフを迎える。 (文責・藤江直人/スポーツライター)