幼稚園や保育園にカフェを設置、コミュニケーション活性化と定期購入狙う
ネスレ日本(本社・神戸市)が、子育て中のお母さん、お父さんと、幼稚園の先生、保育士さんとのコミュニケーションを活性化する目的で、幼稚園や保育園にカフェを設ける「ネスカフェ パパママカフェ」の展開に力を入れている。
幼稚園や保育園に通う子供は保護者が送り迎えしているが、その際に保護者と先生、保育士がコミュニケーションをとる機会は意外と少なく、簡単な挨拶だけで終わってしまっているケースが多いことが、同社の調査でわかった。 ライフスタイルの多様化や共働き世帯の増加により、以前と比べ、限られた時間で保護者が仕事や家事に追われていることや、近年、地域コミュニティーのつながりが希薄になってきていることも背景にあるとみられる。ネスレ日本では、幼稚園や保育園にカフェブースを設けることで、保護者や先生たちとのコミュニケーションを活発化したいとの狙いから、パパママカフェを発案した。 2016年12月に千葉市内の幼稚園に導入したのを手始めに、17年12月12日時点で全国31か所の幼稚園、保育園で導入した。東日本、西日本を問わずに各地に広がっているのが特徴だ。 幼稚園・保育園側で「ネスカフェ アンバサダー」のサービスを通じ、コーヒーなどのネスレ製品を定期購入してもらうことで、ネスレが家庭用コーヒーマシン「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ」を無償提供する仕組み。 カフェブースに設置する什器にもこだわり、丸みのあるデザインで、園児たちの手の届かない高さにコーヒーマシンを設置する仕様にするなど、安全面でも十分配慮している。 ネスレでは、保護者が活用できるスペースにこの什器を設置することをひとつの条件としており、保護者同士や先生・保育士が集まるきっかけづくりを目指している。コーヒー自体は1杯当たり20円程度で飲める計算。簡単なボタン操作で本格的なカフェメニューを楽しめるほか、授乳期や妊産婦のママへも考慮したカフェインレスコーヒーの飲用にも活用できる。
利用者の反応はおおむね好評で、「普段接することのない学年の異なる保護者と会話が生まれた」「カフェでイベントの準備や打ち合わせなどをすることができて便利」といった声が寄せられている。 ネスレ日本によると、「パパママカフェ」の導入先は2017年中に50か所以上が見込まれるほか、18年末までには100か所以上に増やしたい意向だ。ネスレは今後も様々な場所でコーヒーマシンを利用したコミュニケーションの環境作りや活性化の支援を行いたい考えだ。