怖っ…真夏に観たい! ジェイソン、フレディ、強烈キャラ大集合 殺人鬼からオカルトまで傑作“近代ホラー”まとめ
夏といえば「ホラー映画」ということで、日本最大級の映画専門チャンネル「ムービープラス」では、“特集:真夏のホラー祭り”と題して「フレディVSジェイソン」や「エクソシスト[ディレクターズ・カット版]」など、今もなお語り継がれる名作ホラー映画を8月23日(土)、24日(日)に放送。一口にホラー映画と言ってもその種類はさまざまで、“条件”や恐怖の程度も違う。そこで、知っているようで意外と知らない近年製作されたホラーの歴史を大まかなジャンルに分けて紹介しよう。 【写真】怖過ぎ…!“ホラー映画の金字塔”「エクソシスト」もディレクターズ・カット版で登場 ■「13日の金曜日」ジェイソン まずは強烈な印象を与えてくれたキャラクターが魅力の作品から。それこそ「ホラー映画のキャラクターといえば?」と聞かれて、すぐに出て来るのが“ジェイソン(ジェイソン・ボーヒーズ)”ではないだろうか。映画「13日の金曜日」シリーズに出てくるホッケーマスクをかぶった殺人者だ。第1作の「13日の金曜日」が公開されたのは1980年。第1作ではジェイソンの出演シーン自体はあまりなく、ホッケーマスクもかぶっていない。第2作では頭陀袋を被った殺人者として登場。トレードマークとなるマスクを初めてかぶったのは1982年公開のPART3から。ちなみにジェイソンといえばホッケーマスク&チェーンソーの殺人鬼と思われがちだが、実際には斧やナタ、ボウガンなどで殺戮を繰り広げる。1980年代はほぼ毎年シリーズ作品が公開され、1993年には「13日の金曜日/ジェイソンの命日」、2002年にも「ジェイソンX 13日の金曜日」が公開されている。2003年に至っては「フレディVSジェイソン」というホラー界の2大キャラクターで共演した。そして2009年にはリブート作の「13日の金曜日」も公開。かつてのホラー映画の名作をリブートするというのは2000年以降、いろんな作品でも行われている。 ■「エルム街の悪夢」フレディ 「フレディVSジェイソン」の話が出てきたので、ジェイソンと双璧をなす人気キャラのフレディも紹介しよう。“フレディ”ことフレッド・クルーガーは、眠っている人の夢の中に現れ、右手にはめられたかぎ爪で相手を切り裂いてしまう殺人鬼。夢の中で彼に殺された者は現実世界でも同様の傷を負って命を落としてしまうという怖さがある。最初に登場する作品は1984年公開の「エルム街の悪夢」。このシリーズも1994年までに7作公開され、2003年の「フレディVSジェイソン」を経て、2010年に第1作のリメイク作となる「エルム街の悪夢」が作られている。眠れないというか、眠ってしまうとフレディに会ってしまうという恐怖はかなり厳しいものがある。 ■「チャイルド・プレイ」チャッキー 人間ではないが、ホラー的なキャラクターとして有名なのが“チャッキー”。1988年に公開された映画「チャイルド・プレイ」に登場する人形だが、殺人犯とは違って、危害を加えてくるのが人形ということで誰も耳を貸さず、被害が拡大していくという展開に。このシリーズも2017年までに7作品公開されてきたが、2019年にリメイク版「チャイルド・プレイ」も公開されている。 ■「エスター」エスター ジェイソン、フレディ、チャッキーのような見た目からして怪しいキャラではないが、普通っぽいからこその恐怖があったのが“エスター”。2009年に公開された「エスター」に登場するロシア出身の9歳の少女がエスターだ。コールマン夫妻が孤児院からエスターを引き取り、育てていたが、ある日を境にエスターに不信感を抱くようになった。彼女の過去を調べると、いろんなことが分かり…。というサイコホラー的要素の強い作品となっている。その“エスター”の誕生の秘密が明かされる前日譚「エスター ファースト・キル」も2022年に公開されている。 ■「オーメン」ダミアン 見た目は普通っぽいキャラといえば、“ダミアン”もそう。1976年の映画「オーメン」に登場するダミアンは、6月6日朝6時に誕生し、頭に“666”のあざがあるという悪魔の子。「13日の金曜日」が不吉なイメージを持たれているのと同じように、“666”という数字もこの映画の影響で不吉なものとされている。1978年に第2作、1981年に第3作、1991年に第4作、2006年にリメイク版「オーメン」が公開され、第1作の前日譚を描いた「オーメン:ザ・ファースト」が2024年に公開されたことで、再び「オーメン」シリーズや“ダミアン”への注目度が高まっている。 ■「エクソシスト」 さて、次は“キャラクター”ではなく、オカルト現象を取り扱ったホラーの名作を紹介。一つは「エクソシスト」。1973年に公開された作品で、少女に憑依した悪魔と、自らの過ちに苦悩する神父の戦いを描いたヒット作。取り憑かれた少女リーガン役のリンダ・ブレアの演技がすさまじく、首が回転したり、ブリッジ状態で階段を駆け降りてくる、いわゆる“スパイダーウォーク”のシーンは記憶に残っている人も多いのでは。こちらも多くのシリーズが作られたが、2023年の第6作「エクソシスト 信じる者」は原点となる第1作の直接的な続編として作られている。第1作で登場したクリス・マクニール役をエレン・バースティンが50年ぶりに演じたことも話題となった。 ■「ポルターガイスト」 “悪魔憑き”の「エクソシスト」と同じくらいの恐怖を与えたのが、映画「ポルターガイスト」。名匠スティーブン・スピルバーグが製作したホラー作品で、郊外の新築の家に引っ越してきた一家を襲う異常な現象が描かれている。これも1986年、1988年に続編が製作されているが、末娘のキャロルを演じたヘザー・オルークが1988年に12歳で亡くなり、他にもシリーズ出演者が数名急死したこともあり「呪われた映画」と言われていた。 ■「サスペリア」 他にも興味深いホラー映画はいくつもある。1977年に公開された「サスペリア」は、ドイツのバレエ名門校に入学するためにニューヨークからやってきた少女を襲う恐怖が描かれていて、公開時、「決して一人では見ないでください」というテレビCMが放送され、そのキャッチコピーも相まって話題となった。多くのホラー映画を手掛けたダリオ・アルジェントの作品ということで今見てもその恐怖は変わっていない。2018年にルカ・グァダニーノ監督がリメイク版を製作。オリジナルとはまた違う雰囲気だったが、ダコタ・ジョンソンをはじめ、ティルダ、スウィントン、ミア・ゴス、ジェシカ・ハーパー、クロエ・グレース・モレッツなど、キャストも役に合っていてトム・ヨークの音楽が独特な世界観に合っていた。 ■「クワイエット・プレイス」 こちらはキャッチコピーではないが、「決して音を立ててはいけない」という設定が恐怖を増幅させるサバイバルホラー映画「クワイエット・プレイス」(2018年)も。マイケル・ベイ製作、エミリー・ブラント主演で、音を立てると“何か”(怪物)がやってくる恐怖を描き大ヒットした。予想外の大ヒットにより、当初シリーズ化の予定はなかったものの続編が製作され、「クワイエット・プレイス 破られた沈黙」が2021年に公開。2024年にはシリーズの前日譚となる「クワイエット・プレイス:DAY 1」も公開された。 なお、ムービープラスの「特集:真夏のホラー祭り」では、8月23日(金)夜11:00からの「フレディVSジェイソン」を皮切りに、深夜1:00から「エクソシスト[ディレクターズ・カット版]」を、深夜3:30からはサム・ライミが製作を務め、母親の呪縛に取り憑かれた女性が体験する恐怖を描く超常現象ホラー「オンマ/呪縛」(2022年)を放送。8月24日(土)夜8:56からは「クワイエット・プレイス」、夜10:45からは「エスター ファースト・キル」、そして深夜0:45からは「エルム街の悪夢」が放送される。 いろいろな意味で背筋が寒くなるホラー映画の数々を見て、酷暑に家の中でひんやりしてみては? ◆文=田中隆信