FC東京が「運用改善」求めてJリーグに意見書を提出「選手の健康状態を大きく損なう」「公平性を一定確保すべき」
FC東京は5日、台風10号の影響による開催可否判断基準が不明確だったとして、Jリーグに意見書を提出したと公表した。 【写真】ジダンとフィーゴに“削られる”日本人に再脚光「すげえ構図」「2人がかりで止めようとしてる」 Jリーグは8月30日、翌31日のJ1第29節計4試合の中止を発表した。台風10号の進路予想、影響を受けてのものだったが、エディオンピースウイングスタジアム広島で開催のサンフレッチェ広島対FC東京の一戦は前日時点で決行判断。そのまま試合が行われていた。 FC東京は同節の試合に向けて、その進路を横切る移動を必要としていた。チームは29日に広島へ向けて出発するも、大雨の影響による新幹線の運休で静岡県内に宿泊。30日にも移動を試みたが断念し、バスで東京へ戻り、試合当日に航空機を使って移動していた。 これを受けてクラブは「今後の運用改善」のためにJリーグへ意見書を提出。次のように問題を提起し、要望を伝えたという。 ■今回の問題と捉えていること 1. 試合の実施/中止の判断において、考慮されるべき事柄が軽視されていたこと ▽事故等に巻き込まれたアウェイチーム選手への影響 天災による移動時に生じた交通機関停止については不可抗力であり、事故と同様である。今回のケースではこれによって選手の健康状態を大きく損なう形となった。ホーム/アウェイチームの公平性を一定確保すべきであり、特に選手の怪我、故障のリスクが著しく高まる状況下での試合は避けるべきであった。 ▽アウェイチームファン・サポーターの安全面の確保 当クラブのヒアリングでは、当節における他の試合の中止(台風10号の影響により5試合が中止)の理由に、アウェイチームのファン・サポーターの移動の困難さや、安全面の確保が考慮されたケースもある。若干状況が異なるとはいえ、当該試合においてもアウェイチームのファン・サポーターにおいて台風の影響があり、考慮されるべきだった。 2. Jリーグが試合の開催可否を判断する権限を持っているが、判断基準や判断日時を明示せず、実施/中止の判断やその対応において、ホームチームとアウェイチームとも振り回されたこと 明確な判断基準や判断のデッドライン等を示さなければ、刻々と状況が変化する側にあるチーム、今回のケースで言えば、アウェイチーム側が全て対応に追われ続けることになる。Jリーグが積極的に状況を把握し、適切な時期に判断を下すべきであった。 ■要望 Jリーグ規約第62条2項①に「天災地変、公共交通機関不通等」の場合の実施/中止の判断はチェアマンが行うものとされているが、その規定の運用は曖昧である。よって、以下のように要望する。 ・試合の当日までの実施/中止の判断において、より明確な判断基準や判断日時を定めたうえで、Jリーグが主導的に運用に取り組むこと。 ・その判断基準については、ホームチーム、アウェイチームの一定水準の公平性の確保を重視し、特にJリーグがめざす、ピッチ上で最高の作品を見せるためにも、選手ファーストで策定すること。 ・選手を含むチーム、そしてファン・サポーターの安全面の確保を考慮すること。