ニッセイAM社長、海外ハイイールド社債投資に意欲-運用機能集約で
(ブルームバーグ): 日本生命保険傘下の資産運用会社ニッセイアセットマネジメントの大関洋社長は、投資適格を下回るハイイールド社債にも運用対象を広げる意向を示した。海外のハイイールド債の中で比較的格付けの高い社債を新たに加え、運用能力の向上につなげる。
ブルームバーグの取材で述べた。これまで自社で運用していなかった格付けが「ダブルB」クラスの外国社債に「自信を持って投資できるようになると、利回りをもっと引き上げることができる」と説明。金利面で妙味のある外債の受託資産残高を増やす中、「カバレッジを増やして分散投資することが非常に大事だ」と話した。
岸田文雄政権は資産運用立国を掲げ、資産運用会社に運用力の向上を求めている。各社が対応策を打ち出す中、ニッセイアセットは、グループの運用体制の高度化を図る一環でクレジットの運用機能を拡充しており、海外社債投資のカバレッジ拡大を進めている。
同社は2021年に日本生命、翌22年に大樹生命保険から、社債などのクレジットとオルタナティブの運用機能の移管を受け、運用資産や人員を引き継いだ。投資規模が拡大した結果、海外の発行市場にアクセスする能力が向上した上、自社で調査を行い格付けが低い中でも質の高い銘柄を見極められるようになってきたと大関氏は話す。
今後ニッセイ・ウェルス生命保険の同機能も移管する予定だ。これによりグループ内の保険会社からの受託資産は約21兆円となる。グローバルの社債にすでに8兆ー9兆円投資しており、今後は10兆円を超えると大関氏は話す。
グループ一体で投信「直販」
ニッセイアセットは4月、銀行や証券会社などの販売会社を通さずに同社の投資信託を販売するサービスを開始した。インターネットでの直販に加え、証券外務員資格を取得した日本生命の一部の営業職員が少額投資非課税制度(NISA)対象の投信を顧客に案内し、ニッセイアセットの担当者につなげる取り組みも行う。