”骨の世界的権威”が教える「骨粗しょう症」予防法 「かかと落とし」には骨折のリスクあり、おすすめは「いつのまにか骨折」予防体操
体操1.「いつのまにか骨折」予防 うつぶせ背筋体操(等尺性背筋運動)
骨粗しょう症で最も多い「背骨(椎体)」の骨折。 その予防に効果的な運動として、いつもおすすめしているのがこの体操です。 背骨の骨折は気付かないうちに、いつのまにか起きていることが多いので、自覚症状がないうちから、こうした運動を行うことはとても重要です。 背骨の骨折を予防する上で特に大切なのは、「背筋力」をつけることです。 中高年になったら、最も意識したいのが「背骨」です。背骨の大切さは、この章の冒頭でお伝えしましたが、背筋力が低下すると背中が丸くなり、背骨(椎体)への負担が増し、背骨(椎体)の骨折を起こしやすくなります。さらに背中は丸まり、骨折が進む、という悪循環になりかねません。 そこで実践していただきたいのが、背骨が曲がらないように背筋力を維持する「いつのまにか骨折」予防体操です。この運動は秋田大学の宮越尚久教授が考案されたもので、私の患者さんにもおすすめしています。 これは「等尺性背筋運動」といい、関節などを動かすことなく、少ない動きで筋肉をトレーニングできる運動です。背筋を効果的に鍛えることができます。 ただし、背骨の曲がりが強く、うつ伏せになれない方は、この体操はできません。次にご紹介する、椅子を使った「じわじわ10秒背骨伸ばし」を行ってください。 【1】うつ伏せになって、胸の下あたりに座布団などをはさむ【2】気を付けの姿勢で背筋を使い、上半身をゆっくりと10cmくらい持ち上げる【3】そのまま5~10秒キープして、ゆっくりと下ろす※目安は1日10回 残る3つの運動は拙著『100年骨』に掲載しています。