食べることは生きること 北九州市の「おいしい給食大作戦」 一流 シェフ直伝で品質向上目指す 【福岡発】
「いけます。大丈夫」試作品が完成
限られた食材のなかから菅沼さんが選んだのはヤングコーンとジャガイモ。ミネストローネの余りの野菜でタルタルソースを作ることに…。そして「いけます。大丈夫」と試作品を味見した菅沼さん。シェフが知恵を絞ったタルタルソースがかかったチキン料理。そして、旬の野菜をたっぷり使った彩り豊かで栄養満点のミネストローネの完成だ。「子どもたちがおいしいと言って食べてくれるようすが、目に浮かびました」と山下さんの表情に安堵感と嬉しさが浮かんだ。 「生産者、給食を作ってくれる人、食材を運ぶ人、いろんな人が関わって、初めて学校給食が成り立っているというのをまずは知ってもらいたい。知ることで給食の時間をもっと大事に、もっと楽しくできると思う」と菅沼さんは語った。 そして料理のプロが手掛けた新メニューは「シェフの北キュー三ツ星献立」として月に1回、市内の小中学校で提供される。給食室で味見をて最後のチェック。担当した給食調理員は「大量なのでジャガイモの茹で具合やキャベツの炒め具合がちょっと心配ですが、大丈夫ですか?」と少し心配そう。菅沼さん考案のレシピを元に約800人分の料理を作った調理員。「大丈夫。おいしい」と菅沼さん。シェフのお墨付きをもらってひと安心だ。
子どもたちは食べ残しもなく完食
「手を合わせて下さい。いただきます」新メニューを考案した名店のシェフと給食交流。本格的なイタリアンに子どもたちは興奮気味。「コクが出ていて喉に透き通る感じがして、とてもおいしいです。感動しました」(6年生)とシェフの味に舌鼓を打つ子どもたち。野菜が苦手だという子どもも「苦手だけど、食べられるようになってるからおいしかった」(6年生)と野菜の新たな発見に大満足だ。子どもたちが食べ残しもなくきれいに完食した姿を目にした菅沼さん。「うれしかったです!食に関心をもってもらえたらいいなと思います」と笑みを零した。 料理のプロのアイデアで子どもたちの笑顔が溢れた給食時間。北九州市はおいしい給食大作戦で子どもたちの満足度と学校の魅力を高め、将来的には市外からの移住促進にもつなげたいとしている。 (テレビ西日本)
テレビ西日本