夫急死をきっかけに鬱病に。姑小姑との「ひとつ屋根の下」に限界を感じた妻が、苦悩の末に選んだ”死後離婚”とは
遺影に手を合わせるたびに心を痛めるA子さん
A子さんは子供2人と賃貸アパートを借りて生活をしています。鬱病の症状も落ち着き、忙しくも平穏な毎日を過ごしています。 しかし、夫の遺影に手を合わせるとき、ふっと義母や義理の妹のことを思い出し、「自分の頑張りが足らなかったから、こんな結果になってしまったのではないか」と心が痛むそうです。
夫亡き後、義母・義妹と「ひとつ屋根の下」で暮らせますか?
仕事や子育てをしながらの介護は、介護をする人にとって大きな負担となります。介護をする人の方が、こころのバランスを崩してしまうケースも珍しくありません。 A子さん一人が義母の介護を背負う状態でなければ、彼女が鬱病を発症することもなく、義理の妹であるB子さんとも知恵を出し合いながら義母を支えていけたかもしれません。 そもそもの話、夫亡き後、義母・義妹と「ひとつ屋根の下」で暮らし続けることは、相当な覚悟が必要となるでしょう。 自分自身の介護が必要になった時に、家族が介護に専念できる環境にいるとは限らないのだということは、私たちみんなが覚悟しておく必要があります。 介護を「一人娘」や「長男の嫁」などの誰か一人だけに依存してしまうことは極力避けたいものです。そこで家族を救う一つの道が、介護をプロにお任せするという選択肢。 遠い将来の自分と家族のために、介護資金は若いうちから計画的に準備していきたいものですね。A子さんの事例が介護資金を計画的に準備するための、はじめの一歩となれば幸いです。 ※記事中の事例は、個人情報に配慮し内容の一部を脚色しています。
参考資料
・e-GOV法令検索「昭和二十二年司法省令第九十四号 戸籍法施行規則」 ・大阪市「姻族関係終了届」 ・豊中市「各種戸籍届書様式」
佐橋 ちひろ