夫急死をきっかけに鬱病に。姑小姑との「ひとつ屋根の下」に限界を感じた妻が、苦悩の末に選んだ”死後離婚”とは
仕事や子育てをしながらの介護は、介護をする人にとって大きな負担となります。介護をする人のほうが、心のバランスを崩してしまうケースも珍しくありません。 【画像】”死後離婚”の際に提出する「姻族関係終了届」の書式 今回は介護・仕事・子育てが重なった状態で夫が急死。 こころのバランスを崩して鬱病を発症し、俗にいう「死後離婚」を決断したA子さんの事例を紹介します。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
死後離婚=「姻族関係終了届」とは
夫婦のどちらかが死亡した後、その亡くなった配偶者の血族(義理の両親、義理の兄弟姉妹など)との関係を終了させる、俗にいう「死後離婚」は、「姻族関係終了届」という届け出を出すことでできます。 ●姻族関係終了届の書式例 この姻族関係終了届が受理されると義理の両親とは親族ではなくなり、介護などの扶養義務を負う必要がなくなります。
【事例】「介護×仕事×子育て」で鬱病になった妻は死後離婚を選択
「介護×仕事×子育て」により心身ともに限界になり、夫の急死をきっかけに鬱病を発症。死後離婚をした実際の事例を紹介します。 ●「義母と同居」A子さん(40歳・会社員)の場合 A子さんは地方都市に住む40歳の会社員です。 大学を卒業後、地元の地方銀行に入社し窓口担当として働いています。プライベートでは25歳の時に5歳年上の夫と結婚し、2人の子供を授かりました。 現在は夫の実家を改装し、義母と夫、14歳の長男・12歳の長女の5人で生活しています。 ●時短勤務で義母の介護を担当 義母は5年前から週に3回、人工透析に通っています。 病院までは車で10分ほどですが、義母は一人で病院に行くことができません。夫と話し合った結果、A子さんが介護を理由に職場に時短勤務を申請し、送迎を行っています。 義母の通院は働きながら子育てをするA子さんにとっては負担ですが、義母には子供が小さいときに子育てを手伝ってもらった恩があります。 また、夫がいつも優しくA子さんの気持ちに寄り添ってくれていたので、A子さんは仕事と子育て・介護をなんとか両立させていました。