【パリ五輪】ライルズが3冠に挑戦!デュプランティス、男女400mHに歴史的世界新の期待 キプチョゲ3連覇の偉業なるか/みどころ海外編
3連覇に挑むキプチョゲ、クルーザー、キピエゴン、ティアム
東京からパリはイレギュラーの3年スパンとなったが、4年に1度が基本の五輪において、連覇はもちろん、3連覇となると至難の業とも言える。しかも、それがマラソンとなれば言わずもがなだ。その快挙を狙うのが、エリウド・キプチョゲ(ケニア)だ。五輪は04年アテネ大会に初登場し、これが5回目。前半2回はトラック種目で臨み、5000mでアテネは銅メダル、北京大会は銀メダルだった。初の金メダルはマラソンで初出場した16年リオだった。 マラソンで20戦16勝という驚異的な勝率を残し、2019年には非公認ながら人類初の2時間切り(1時間59分40秒2)を果たした、マラソンの神様。39歳にして、またその輝かしいキャリアに新たな勲章を刻もうとしている。 このほか、3連覇に挑むのが男子砲丸投のライアン・クルーザー(米国)、女子1500mのフェイス・キピエゴン(ケニア)、同七種競技のナフィサットゥ・ティアム(ベルギー)の3人。 クルーザーはケガの影響で6月末の全米五輪選考会が今季屋外初戦だったが、22m84をプットし、今季リストトップ(23m13)のジョー・コヴァクス(米国)を抑えて優勝した。キピエゴンは7月7日のDLパリで、自身の世界記録を0.07秒更新する3分49秒04を樹立。ケガの影響で出遅れていたが、一気に調子を上げてきた。ティアムは欧州選手権で約2年ぶりの七種競技に挑み、6848点で快勝した。3連覇達成となれば、それぞれの種目で史上初の快挙となる。 また、女子ハンマー投には3連覇中のアニタ・ヴォダルチク(ポーランド)もエントリーした。8月8日で39歳となる世界記録保持者。今季ベストは72m92にとどまっているが、女子の個人種目では史上初となる4連覇の権利を有している。また、女子100mのシェリーアン・フレイザー・プライス(ジャマイカ)は、五輪の通算メダル獲得数が8個。リレーを含めて2つ伸ばすようだと、マリーン・オッティ(ジャマイカ)を抜き、11個のアリソン・フェリックス(米国)に次ぐ歴代2位となる。 その他にも、男子では世界記録保持者のラメチャ・ギルマ(エチオピア)と世界大会3連覇中のソフィアン・エル・バッカリ(モロッコ)が激突する3000m障害、好記録が続出している400m、800m、走幅跳、三段跳、女子では100mハードル、走幅跳などでハイレベルの争いが展開されそう。競歩も近年は高速化が進み、初実施の男女混合競歩リレーを含めて激戦予想だ。 見どころ満載の11日間、歴史的瞬間を見逃すな。
月陸編集部