全日本大学選手権でプロ注目の地方大学4人の150キロ級右腕
プロ野球ドラフトは地方の時代と言われている。 まだ初勝利を手にできていないが、“日本一”日ハムを4日、7回まで2失点に抑えて見せた阪神のドラフト2位の小野泰己(23)も富士大出身。東京六大学や東都出身の野球エリートだけがプロで活躍しているわけではない。今日5日から神宮球場、東京ドームで開幕する全日本大学選手権に出場する地方大学にも、ストレートの最速が150キロを超えるプロ注目の逸材がいる。表を参考してもらいたいが、九州産業大の草場亮太、岡山商科大の近藤弘樹、日本文理大のケムナブラッド誠、岐阜経済大の濱口雄大の4人だ。 4人は共に甲子園出場経験がなく、中央では無名に近かったが、九産大の草場だけは、佐賀県立伊万里商時代から、すでにストレートで146キロが出ていてプロが注目していた。最後の夏は2回戦で小城に敗れたが、その試合のネット裏には、5球団のスカウトがチェックに訪れていた。 結局、草場は、プロ志望届を出さずに九産大進学を選んだ。 大学では、1年の春から出場チャンスをもらってきたが、3年になって球速が150キロを超えるようになった。昨年の全日本大学選手権では、エースで日ハムに3位指名された高良一輝が故障で登板できなかったため1回戦の日体大戦では草場が先発。6回3分の2を投げて2安打無失点に抑え、ストレートの最速が149キロをマークしてスカウトが色めきだった。テイクバックが小さい独特のピッチングフォームで、打者がタイミングを取り辛く、150キロ以上の体感を感じさせるのが特徴だ。152キロは3年春に出した。 その草場率いる九産大と、きょう5日の1回戦で対戦するのが、日本文理大のケムナブラッド誠だ。 ハワイ生まれのハーフで4歳で宮崎に移住。県立日南高校では、2年から真剣に野球に取り組みはじめて甲子園出場はなかったが、日本文理大に進んで、体ができてくるに従って球速がアップ。3年時に肩を痛めて、この春はストッパーとして短いイニングを投げているが、最速は151キロをマークした。192センチの長身を生かしたストレートの角度に加えて、カット、スライダーを織り込んでくるので制球が安定しているときは、打者はまず手が出ない。ノビシロのある大型右腕だ。