全日本大学選手権でプロ注目の地方大学4人の150キロ級右腕
岡山商科大の近藤弘樹も急成長の本格右腕。 中国地方の担当スカウトは3年時からマークしている存在だったが、今春から数球団は、スカウト部長、編成部長クラスが、クロスチェックのため岡山まで足を運ぶようになった。 最速152キロの角度のあるストレートは空振りを取れる。「場面、場面によって140から140後半までストレートを投げわける」という投球技術も持つ。9回でも、140キロ後半のスピードを維持。リーグ戦では、中1日で連続完投するなど、スタミナがついてきているのも魅力だ。 元阪神のチーフスコアラーだった三宅博氏が、特別コーチとして手ほどきしているが、「今は手をつけずに自分が最もスムーズな形で投げさせている」というから、ノビシロを多分に含んでいるのがプロ側からすれば魅力だろう。 岐阜経済大の濱口は、高知農業出身で最初はキャッチャーだった。高校時代は130キロ台しか出なかったが、大学入学後、徐々にスピードアップ。今春は1試合に先発しただけで、主にストッパー起用されているが、短いイニングなのでバネを生かした投球フォームから全力で投げ込み、5月27日の三重大戦では、152キロをマークした。防御率は0点台。制球に課題は残り本人は社会人を志望しているらしいが、プロのスカウトは追跡を続けている。 元ヤクルトのスカウト責任者だった片岡宏雄さんは、「高校生で150キロを投げる投手は、それだけで素材として楽しみは大きいが、大学生の150キロは、その球質や特徴をしっかりと見定めないとならないだろう。150キロを投げるから即プロ、とはいかない」と言う。 「球団によるだろうが、大学生に対しては、そう長い目では見てもらえない。ある程度、制球は必要だし、“このボールは使えるだろう”“少々甘くいっても球威で大丈夫だ”というような見込みがないと難しい。要するに150キロの中身が問われることになってくる」 地方大学から全日本大学選手権という大舞台に見参する4人の150キロ投手が、そこでどんな活躍をするのか興味は尽きない。プロの評価がどう落ち着くかにも注目が集まる。