【マイケル・ジャクソンと黒人差別で大激論】湯川れい子「なぜ、エルヴィスと敵対するの?」
マイケル・ジャクソンが語った「なぜ黒い肌のスーパーマンはいないの?」 エルヴィス・プレスリーやザ・ビートルズ、マイケル・ジャクソンなど数多くの伝説の大スターを直接取材してきた音楽評論家で作詞家の湯川れい子さんに、マイケルと黒人差別について大激論を交わしたお話を聞きました。 【動画で見る】マイケル・ジャクソンとの大激論
■若い頃のマイケルはよくしゃべってくれた
マイケルには色んなゴシップがついてまわりました。1982年頃に急に肌の色が白くなったとか、1993年の少年への性的虐待疑惑など、色々なことが起きて、ある時期からマイケルはジャーナリストと一切口をきかなくなりましたので、そうなる前のマイケルです。
■「なぜそんなにエルヴィスと敵対するの?」
まだ21・22歳の頃のマイケルはよくしゃべってくれたんです。私にとってマイケルとの一番の思い出は、『スリラー』(1982年発売『史上最も売れたアルバム』とされている)が出る前に『ハートブレイク・ホテル』というシングルを出したことがあったんですね。『ハートブレイク・ホテル』というのはエルヴィス・プレスリーがメジャーデビューして大ヒットした曲ですから、「何で、そんなタイトルをあなたは使うの?エルヴィスのファンにとっては、むしろ神聖な歴史に残るシングル曲なのに、何でそれと同じタイトルをわざわざ使ったの?」と聞きました。 「エルヴィスがいてくれたおかげということもあるでしょ?エルヴィスがぶち壊してくれた白人音楽と黒人音楽の高くて厚い壁とか、エルヴィスが持ってた黒人音楽に対するリスペクトとか、すごく大きなものがあるのに、何でそんなに敵対するの?」そう聞きました。すると、マイケルは、「いや、まだ十分じゃない。エルヴィスは僕たち黒人の音楽を盗んだ」って言ったんです。そこでマイケルと色々と議論になって、私もマイケルに一生懸命私の思いを説明したんですけど。でも、マイケルは「それでも十分ではありません。じゃあ、何で黒い肌のスーパーマンはいないんですか?何で黒い肌のティンカーベルはいないんですか?全然十分じゃありません」 って言われて、ああそうなんだなって、初めてマイケルの心の奥を知る事になりました。