広島新井貴浩監督（2024年8月撮影）

　3年目シーズンへ。広島新井貴浩監督（47）が来季も指揮を執ることが5日、決定的となった。 　就任2年目の今季は9月に急失速。6年ぶり優勝だけでなく、2年連続クライマックスシリーズ進出も逃した。それでも松田球団オーナーは、8月まで首位を守り続けた手腕を評価。就任3年目の来季、7年ぶり頂点を目指す。 　　　　　◇　　　　◇　　　　◇ 　来季も新井監督に託す－。今季最終戦を翌日に控えたこの日、来季の契約について問われた松田球団オーナーは「当然。来季も指揮を執ってもらおうと思っています」と即答した。全日程終了翌日の6日以降に本人と話し合いのが設けられ、最終決定する見込みだ。 　就任2年目の今季は8月まで首位を守ったが、9月に急失速。優勝だけでなく、2年連続クライマックスシリーズ進出も逃した。それでも球団は現有戦力を最大限に生かした手腕を高く評価。「今まで活躍できていなかった選手をうまく使って、アドゥワらが一本立ちした」。失速したとはいえ、投手陣を整備。先発は4本柱を中心にローテーションを回しながら、アドゥワのほか、玉村や森らが経験を積んだ。中継ぎも黒原や塹江など左腕を育てた。 　野手は矢野を遊撃のレギュラーに据えるなど守備面を強化し、投手を中心に守り勝つ野球を浸透させた。ただ、シーズンを通して得点力不足の課題は克服できなかった。特に長打力不足解消のキーマンと期待された外国人野手2選手が開幕早々に離脱。チームづくりに影響を及ぼしただけに「そこは私たちの責任」と松田オーナーはわびた。 　新井監督はBクラスが確定した2日ヤクルト戦後「あと2試合あるので。全部終わってから振り返りたい」と話すにとどめた。終盤の失速はチームの総合力の差か。3年目の来季へ、松田オーナーは「若い選手がベテランを押しのける勢いで出て来て欲しい」と新たな力の台頭に期待した。 　◆新井貴浩（あらい・たかひろ）1977年（昭52）1月30日、広島県生まれ。広島工－駒大を経て98年ドラフト6位で広島入団。05年本塁打王。07年オフに阪神へFA移籍。11年打点王。14年オフに自由契約で広島に復帰。16年にリーグ最年長でMVP受賞。18年限りで現役を引退。06年WBC、08年北京五輪で日本代表入り。23年から広島の監督を務める。現役時代は189センチ、102キロ。右投げ右打ち。