車のメーター、なぜ上限が「時速180キロ」? 輸入車は「250キロ以上」も普通なのに! 知られざる「メーターと速度制限」の関係とは
「フルスケールメーター」は高性能の証? しかし見直しの動きも
実は、スピードメーターの最高値が180キロ以上のクルマは、国産車でもいくつかあります。 例えばレクサスのほとんどのモデルは260キロ、スズキ「スイフトスポーツ」も260キロ、マツダ「ロードスター」は200キロです。 当初は北米や欧州の高級ブランドとして展開していたレクサスなど、海外への輸出が前提とされているクルマは、製造時から輸出を見据えてフル表示(フルスケール)の200キロ以上のメーターを装備するメーカーもあります。 国内向けモデル・輸出向けモデルとメーターを何種類も作る必要がなく、製造ラインでの作業工数も減りコストカットができるためです。 さらに、輸出向けを想定しているということは、外国車と対等にあるという意味で「高性能車」の証だったといっても過言ではなく、オーナーの所有欲を満たすものとなっていたことも事実です。 こうしたことから、カスタムパーツメーカーなどから輸出モデル用のフルスケールメーターが販売されていたりしたこともありました。
ところが近年、電動化や低燃費といった環境負荷低減に加え、安全性能の向上が喫緊の課題となっています。 自動車大国であるドイツは環境先進国でもあり、気候変動を考慮して脱炭素化による速度制限の見直しの動きもあるようです。 さらに、クルマの安全性が世界トップクラスといわれるスウェーデンのボルボは、2020年5月に、2020年以降のすべてのボルボ車の最高速度を180キロに制限すると明かしています。 今後、クルマの速度制限に関する動きはどのようになっていくのか、注目したいところです。
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