【BMW R1300GSアドベンチャー 試乗】「ASA」でエンストの不安から解放!その完成度に大きく驚かされた…鈴木大五郎
ワイドなパワーバンドや扱いやすいエンジンキャラクター。そしてバラエティに富んだライディングモードが備わることで、懸念されたショックやネガを打ち消してくれている事実があるにせよ、その完成度には大きく驚かされたのであった。
◆よりアドベンチャーマシンらしいフィーリング
ASAの衝撃が大きかったことで解説するのが遅れたが、ハンドリングを含めた車体面も素晴らしい。大柄に見えるが、跨った際の印象は同じマシンかと思われるほどフィット感も良好だ。『R1300GS』に対してストローク量が増大した足回りの効果もあって、よりアドベンチャーマシンらしいフィーリングを得ている。
今回テストした仕様は自動車高調整機構を備えているため、停車時には840mmのシート高に。165cmの身長ではマシンの引き起こしや傾斜地で不安がないとは言い切れなかったものの、オプションでローシートがラインナップされることに加え、日本に導入される予定となるコンフォート仕様はさらに20mmシート高が低い820mmであるから、その間口はなかなかに広い(ライディングポジション写真はコンフォートで今回は未走行)。
いっぽうで、一度走り出してしまえばコンパクトと言うのは語弊があるかもしれないが、その尻込みしてしまいそうな迫力のボディからすると、想像を遥かにこえた一体感を備える。速度が50km/hを超えると車高が30mm上昇するものの、その設定変更を認識することはなくあくまで自然に乗り心地の良さや運動性に貢献している。
今回は2日間で約500km。その行程はタイトなワインディングあり、オフロードあり、もちろん市街地も高速走行もある。まさにアドベンチャーのキャラクターに相応しいルートが設定されていたのであるが、頼もしさと快適性。そして、しっかりと操る楽しさも備わっていたことがなによりも嬉しかった。
そしてR1300GSアドベンチャーの完成度の高さに水を差すことなく、より輝かせていたのがASAであったことに驚かされた2日間であったのだ。