孤独死は「余計なお金がかかる」って本当ですか? 早く見つけてもらうために「お金で解決」できることはあるでしょうか?
少子高齢化の進展に伴って、独居の高齢者は増えています。もともと独身だった方だけでなく、配偶者に先立たれてしまった高齢者も、高齢者施設を使わないかぎり独居を余儀なくされるケースが多いでしょう。 独居の高齢者で心配されるのが、「孤独死」です。自宅で孤独死すると、家の特殊清掃費用が発生するケースがあり、発見が遅れるほど費用が高額になるのが一般的です。そこで本記事では、孤独死で発生する費用や孤独死に対する備えについて解説します。
「孤独死」で発生する可能性が高い費用
内閣府の「令和3年版高齢社会白書」によると、一人暮らしをしている60歳以上の5割以上が、孤立死を身近な問題と感じています。独居している以上、孤独死は誰しもが陥る可能性があるリスクです。 孤独死した場合、特殊清掃費用が発生する可能性があります。死後すぐに発見されれば特殊清掃が不要なケースもありますが、独居していてすぐに発見してもらえるケースはまれでしょう。 特殊清掃では、体液・血液などの清掃や消毒・除菌・消臭作業をはじめとした作業を行います。特殊清掃費用は家の広さや清掃が必要な箇所によって異なり、3万~70万円程度と幅広いです。部屋が広いほど、遺体の発見が遅れるほど清掃費用は高額になります。遺体が腐敗していくにつれて体液が漏れ、悪臭や汚染物質が広がってしまうためです。 特殊清掃費用を抑えるためにも、万が一の事態が起きたときにできるだけ早く発見してもらえるような工夫を行うことは重要です。
孤独死に対する備えとは
孤独死を防ぐ際には、広い交友関係を維持することが効果的です。例えば、趣味サークルやボランティア活動をはじめとしたコミュニティーに参加すれば、人間関係のつながりを維持できます。 例えば、参加する予定だったのに姿が見えず連絡が取れないと、周囲が「何かあったのかもしれない」と感じて様子を見に来てくれる可能性があります。参加するコミュニティーが多いほど、孤独死の早期発見につながるでしょう。 ほかにも、自治体やNPO法人、民間企業が提供している高齢者サポートサービスの利用も効果的です。受けられるサービスの内容は提供者ごとに違いがありますが、高齢者サポートサービスを利用すれば以下のような支援を受けられます。 ・日常生活支援サービス:親族への急な連絡や買い物の手伝い ・身元保証サービス:身元保証人となり医療機関や介護施設に入る際の費用の支払いを保証する ・死後事務サービス:死後の遺体確認・引き取り、住んでいた部屋の原状回復 上記のなかでも、死後事務サービスは頼れる家族や親族などがいない方が死亡したとき、葬儀や入院・入所費用をはじめとした支払い関係の事務を代行してくれます。地域によっては、自治体や社会福祉協議会、弁護士・司法書士が死後事務の支援を行っているため、どのような支援があるか調べてみるとよいでしょう。 高齢者サポートサービスを受ける際には、受けるサービス内容に応じた費用を支払う必要があります。どのようなサポートが必要なのか、いくらの費用なら負担できるかをトータルで考えることが大切です。 孤独死をめぐって不安があるときは、地域包括支援センターへ相談してみるとよいでしょう。必要な支援や適切なサービスを一緒に考えてくれるため、孤独死に対する不安を軽減できます。
まとめ
独居している高齢者の方にとって、孤独死は意識せざるを得ない問題です。孤独死した後に遺体の発見が遅れると、特殊清掃費用がかかり経済的な負担が重くなります。頼れる家族や親族がいない場合は、趣味サークルや地域活動への積極的な参加、高齢者サポートサービスの利用を検討しましょう。 出典 内閣府 令和3年版高齢社会白書(全体版) 第1章 高齢化の状況(第2節 4) 消費者庁 「身元保証」や「お亡くなりになられた後」を支援するサービスの契約をお考えのみなさまへ 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部