国・県・市が50億円補助する「民間主導」アリーナ計画、来年度にも着工…丁寧な議論求める声も
福井市の東公園に整備が計画される福井アリーナ(仮称)について、参画する企業が早ければ7月から現地調査を実施し、2025年度中に建設工事が始まる見通しであることが福井市議会に示された。整備費として想定する105億円のうち、50億円を国や福井県、市が補助する予定だ。市民らからは丁寧な議論を求める声が出ている。
3~20日の市議会定例会などで市が計画の概要を明らかにした。それによると、参加企業が7月に地盤調査を始めるほか、市などが今年度中に国の補助を申請。順調に進めば25年度には工事が始まるという。
主導する福井商工会議所などの計画では、民間主体でアリーナを整備し、27年秋の開業を目指す。男子プロバスケットボールチーム「福井ブローウィンズ(福井BWS)」が拠点とし、コンサートや会議などでの利用も想定。来場者は年間58万人、収入は使用料などで年間6・9億円、経済波及効果は56億円を見込んでいる。
しかし、資材高騰などに伴い、整備費は想定の75億円より30億円多い105億円になると試算。最大で半額近くの50億円を国や県、市が負担するとした。市によると、現状では国が25億円、県が15億円、福井市が10億円を助成する見込みだ。
民間が担う55億円に関しては、金融機関から30億円を借り入れ、福井BWSのオーナー会社が10億円を出資、企業版ふるさと納税で10億円を賄う。残る5億円は他の民間企業の出資、寄付で補うとしている。
17日にあった市議会の県都にぎわい創出対策特別委員会では、福井商議所側が、この5億円のうち3億円程度を調達できるめどがついたことを明らかにした。 一方で、市議からはアリーナの運営や経済効果について不安視する意見が出た。21日の県議会でも治安など地元からの不安を問う声が上がった。
公園近くに住む80歳代主婦は「アリーナ建設によって地域がどう変わるのかを、色々な角度からもっと議論を尽くしてほしい」と訴える。