米エヌビディア、印リライアンスに次世代AI半導体供給へ
Arsheeya Bajwa Deborah Mary Sophia [ムンバイ 24日 ロイター] - 画像処理装置(GPU)世界最大手の米エヌビディアは24日、インド大手財閥リライアンス・インダストリーズに次世代人工知能(AI)半導体「ブラックウェル」を供給する方針を明らかにした。成長するインド市場で地歩を固めるためリライアンスなど同国企業との提携関係を強化する取り組みの一環。 ジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)が同日、ムンバイで開催された「AIサミット」でリライアンスのムケシュ・アンバニ会長と対談し、その中で明らかにされた。 ブラックウェルの具体的な供給先は、リライアンスが西部グジャラート州に建設中の消費電力が1ギガワットの大型データセンター。 両社は昨年9月、インドでAIスーパーコンピューターを開発し、インドの言語でトレーニングされた「大規模言語モデル」(LLM)を構築する約束を交わしていた。 インドでは、ヨッタ・データ・サービシーズやタタ・コミュニケーションズなどデータセンタープロバイダーが拡張計画をけん引している。エヌビディアは同日、そうした企業が建設する大型データセンター向けに現行品のAI半導体「ホッパー」を数万個供給することを検討していることも明らかにした。 またエヌビディアは同日、新しいヒンディー語AI基盤を発表した。インドITサービス大手テック・マヒンドラが最初に活用する企業となり、ヒンディー語や国内で使われている数十の言語を対象とした「インダス2.0」と呼ばれる自社製AI基盤を構築するという。 エヌビディアはテック・マヒンドラのほかにも、インフォシスやウィプロなどのITサービス大手と提携しており、計約50万人の開発者に対し、エヌビディアのソフトウェアを使ってAIが自律的判断で情報収集や作業計画などに当たる「AIエージェント」の設計や実用化のトレーニングを行っている。 フアンCEOは「インドは将来、AI輸出国になるだろう。インドにはAIやデータ、AIインフラという基本的要素があり、ユーザー人口も大規模だ」と述べた。さらに「現在はエヌビディアの売上高に占めるインドの割合が小さいが、われわれの期待は大きい」と抱負を語った。