”慰霊の日”を汚す人たち 関東大震災での朝鮮人虐殺”否定”するデマ 101年目の追悼を前に
■デマに乗せられ虐殺を否定する人々 しかし、2017年から「そよ風」という団体が、朝鮮人慰霊碑がある都内の公園で「虐殺はなかった」と主張する集会を開き始めました。2019年に私が録音した声です。「内容は全くの嘘である」と思って聴いてください。 女性の声:朝鮮人が、震災に乗じて、略奪・暴行・強姦などを頻発させ、軍隊の武器庫を襲撃したりして、日本人が虐殺されたのが真相です。犯人は、不逞鮮人、朝鮮人コリアンだったのです。 震災に乗じて暴動を起こしたのが朝鮮人だというのです。本気で信じているんじゃないか、という感じがしました。 ※この「不逞鮮人」という発言は2020年、東京都人権尊重条例に基づいてヘイトスピーチと認定されている。 ■虐殺「疑う余地なし」が東大の公式見解 虐殺された人数は、日本人の犠牲者も含めて、正確には分かっていません。遺体が隠されたり、地域で証言を拒んで隠ぺいしたりしているからです。「加害者が正式に起訴された事件」で、殺された朝鮮人被害者の数はわずか233人しかいません。内閣府の中央防災会議は数千人とみているのに。問題の解決を遅くしているのは、隠ぺいがあったことが背景にあります。「そよ風」の集会ではこんな声もありました。 男性の声:また、テロもありました。朝鮮左翼により計画されていたんです。そして実行されたんです。それに対する、住民の自警行為もありました。しかしね、6000人の大虐殺はなかった! 朝鮮人犠牲者の追悼碑に「6000人」と書いてあることをもって、「この事実はない」と「そよ風」は主張しているのです。6000人だったかどうかは分かりません。でも、わからない責任は、隠してしまった日本人側にあるのです。233人でないことははっきりしています。 実は、東京大学の教員83人が連名で8月5日、東京都知事に対して要請文を出しています。「小池百合子都知事は、虐殺の事実があったかどうかの認識を示さないあいまいな回答しか述べていない」と東大の教員は批判していて、「評価が定まった学説への信頼を毀損している」と主張しました。「震災時に朝鮮人が虐殺されたのは疑う余地のない歴史的事実というのが、東大の公式見解」と断定しています。