”慰霊の日”を汚す人たち 関東大震災での朝鮮人虐殺”否定”するデマ 101年目の追悼を前に
■ドキュメンタリー映画『リリアンの揺りかご』 今日この曲を紹介したのは、まもなく9月1日がやってくるからです。関東大震災が101年前に起こった日です。防災についてはもちろんですが、同時に改めて考えなければいけないことは、地震の時に起こったのが朝鮮人の虐殺という大変な事態です。 私たち日本人にとっては、自分たちの父祖がやってしまったことに対して非常に大きな悲しみをもって考えなければいけない事件ですが、今それを否定しようとする人たちも出てきています。私が制作したドキュメンタリー番組『リリアンの揺りかご』でも採り上げました。自分たちの民族が持っている罪を認めるのは非常につらいことですが、しっかり考えていかないと再び繰り返してしまうかもしれない、と思います。 ※『リリアンの揺りかご』(2024年) やまゆり園障害者殺傷事件やヘイトスピーチ、朝鮮人虐殺を否定する人々など、現代日本の様々な不寛容を同時並行で描く80分ドキュメンタリーで、3月のTBSドキュメンタリー映画祭で上映した。短縮した1時間番組はTBSテレビ『ドキュメンタリー「解放区」』で放送。8月には「RKBドキュメンタリーの日」で改めて放送した。 ■数千人の犠牲者…朝鮮人だけではなかった 地震の後に起きた朝鮮人の虐殺は「日本の歴史上の最大の汚点」と言ってもよいほどのひどい出来事でした。 (『リリアンの揺りかご』ナレーション) 1923年に起きた、関東大震災。大混乱の中で、朝鮮人を狙った虐殺事件が各地で起きました。 「不逞鮮人の暴動が始まったらしいぞ!」「井戸に毒が入れられた!」 警察も新聞も、デマを拡散しました。それを信じた市民が武器を持って、見知らぬ人に「お前は朝鮮人ではないか」と詰め寄りました。虐殺された人の正確な数は分かりませんが、内閣府の中央防災会議は、震災犠牲者10万5000人の1~数パーセント、つまり「数千人」と推計しています。 方言でしゃべる地方の出身者や障害者、それに中国人も、「日本語の発音がおかしい」と殺害されました。 (番組ナレーションここまで) 当時、朝鮮を併合していた日本ですから、「恨みを買っている」という意識はあったのだろうと思います。何かあった時、仕返しをされるのではないかという恐怖感が背景にあったのでしょう。