ウィートリー&ニューウェイの離脱は、レッドブルの”退化ではなく進化”なのか? 後任はチーム内部から登用へ
レッドブルは、チームから離脱することになったスポーティング・ディレクターのジョナサン・ウィートリーの後任を、チーム内にいるメンバーから登用することになるようだ。 【ギャラリー】角田裕毅 × VERDY コラボポップアップ F1 ウィートリーはレッドブルで18年間要職を務めてきたが、今シーズン限りで同チームを去り、ガーデニング休暇を経て、アウディF1のチーム代表に就任する予定だ。 アウディはザウバーを買収し、2026年の新レギュレーション施行と同時にF1に新規参戦する予定。しかしチーム力が向上することはなく、チーム内部の権力闘争が勃発。ザウバーCEOのアンドレアス・ザイドルと同会長のオリバー・ホフマンが更迭され、元フェラーリF1代表のマッティア・ビノットが、F1プロジェクト責任者に就任することになった。そしてウィートリーがチーム代表として、チームのマネジメントを行なうことになるとされる。 情報筋によれば、ウィートリーがアウディへの移籍を決めたのには、ビノットは一切関与していないとされる。またレッドブルは、離脱するウィートリーの後任をチームの内部から探すことで、マネジメント体制を刷新しようとしているようだ。 レッドブルからはこのウィートリーだけでなく、天才的デザイナーであるエイドリアン・ニューウェイが抜けるなど、重要人物が多数チームを離脱することになっている。クリスチャン・ホーナー代表は引き続きチームを統括するが、首脳陣の体制を再編成することを余儀なくされるはずだ。そしてそれに伴い、ウィートリーが務めていたスポーティングディレクターの役職がなくなり、チームマネージャーの役割が復活する可能性がある。 このことはデメリットだけではない。年間の予算上限が制限されている今、コストを削減するという面では、メリットを生む可能性がある、 ウィートリーとニューウェイが離脱したことは、レッドブル内部で混乱が生じている証拠だという憶測が広まっている。しかしその一方で、チームは進化の途上にあり、その結果としてベテランスタッフを整理しているという見方もある。 ニューウェイの離脱が確定する数日前、デザイナーのピエール・ワシェに新たな条件が提示されたという。またウィートリーの後任にも、新たなターゲットが設定されている可能性が高い。 なおウィートリーは以前から、チーム代表に就きたいという野望に抱いていることは、パドック内でよく知られていたことだった。今年の初めには、従業員に対する不適切行為があったとして、ホーナーが代表職から更迭される可能性が高まった。その時、ウィートリーが後任となるのではという噂もあった。 レッドブルは、現在マックス・フェルスタッペンのレースエンジニアであり、レースエンジニアリングの責任者でもあるジャンピエロ・ランビアーゼを昇格させることで、ウィートリーの役割を分割できるかもしれない。そして別の人物が、FIAとの交渉窓口となり、チームマネージャーとして行動する責任を負うことになるようだ。 関係筋によれば、レッドブルはウィートリーの後任を外部から探してくる可能性は低く、人件費が嵩むスタッフが離れるのは、チームの進化だとみなしているようだ。
Ben Hunt