二階氏の不出馬表明は「院政」への布石? 東工大・西田准教授「“自分が泥をかぶるから、今後も影響力を行使しますよ”という狙いか」
自民党の二階元幹事長は記者会見を開き、政治不信を招いたとして次の衆議院選挙に立候補しない考えを表明した。 【映像】二階氏の狙いは「院政」か? 裏金事件をめぐっては、二階氏の秘書の有罪が確定しているほか、派閥の元会計責任者も在宅起訴されている。 二階氏は会見で「政治責任はすべて監督責任者である自身にある」と述べ、改めて陳謝。離党はしない考えで、残りの任期については「国土強靱化や大阪・関西万博準備などに力を尽くす」と述べた。 二階氏の不出馬の影響について東京工業大学准教授の西田亮介氏に聞いた。
━━不出馬を表明した二階氏の狙いは? 「外に対しては、自ら身を引くという姿勢を見せることであり、引退後は政治とカネの追及も受けにくくなる。二階派を中心とする二階氏を慕っている政治家に対しては『自分が泥をかぶるから、今後も影響力を行使しますよ』と伝え求心力と忠誠心を維持したい狙いがあるのでは」 ━━二階氏は不出馬を表明したが、非公認で選挙に出るという選択肢もあり得た? 「『なくはない』という程度だ。非公認で選挙に出て、自民党が独自の候補を立てた場合には、競合することになる。過去には公認しないだけではなく刺客として対立候補を立てた郵政選挙のような例もある。選挙に出るよりも、党の中に影響力を残して院政を敷く方が得だと判断したのでは」
━━自民党全体への影響はあるか? 「岸田総理からすると、ある種面子を潰された格好だ。次も選挙に出たいと思ってる人に対して『選挙における非公認』は大きな意味を持つが、先回りするような形で『選挙に出ません』と言われてしまうと、今後非公認の処分が下されたとしても『はい、わかりました』というだけで意味がなくなってしまう。より厳しい処分など党内分断が加速すると面白い」 ━━安倍派への影響はあるか? 「直ちに影響はないかもしれない。とはいえ、幹部に対して厳しい処分の可能性が取り沙汰されてる安倍派が『同じように自分たちも意趣返しを』と考えても不思議ではないし、国民はそんな混乱の様子を見ればますます『自民党は大丈夫か』と思うだろう」 ━━岸田総理の責任を問う声もあるようだが。 「岸田総理が混乱を収められず、対応も後手に回り、政党支持を下げているという観点から政治的な処分を求める声が党内でも上がってくるのではないか」