「年収500万?」コンサルの俗化が進む困った事情 「安かろう悪かろう」が蔓延し、レベルの低下も
■少数精鋭から玉石混交へ それで7年後どうなるか? 7人いたうちの6人は脱落して、生き残るのは1人だけ。そういう異常なほど厳しい世界だった。当然、残った人間はコンサルタントとして、どこに出しても恥ずかしくない貴重な人材だ。 膨大なコストをかけて採用し、教育して、結局ほとんどが辞めていく。だからコンサルティング会社としてはコンサルティング料にもそのコスト分を上乗せしないと経営が成り立たない。安かろう、悪かろうのコンサルティングなど、生まれる余地がないわけだ。
ところが昨今は、戦略系コンサルだけでなく、総合系、会計系と呼ばれるコンサルなどがあり、いずれも桁違いに社員が多い。某総合系の大手などは2万人を超えているそうだ。 もちろん、なかには優秀なコンサルタントもいるだろうが、すそ野が広がっているぶん、玉石混交でピンからキリまでいて、「石」や「キリ」のコンサルタントも多いということだろう。 聞くところによると、コンサルティング会社全体が、かつては扱わなかった業務の細々とした部分にまで、コンサルティングの網を広げているらしい。
大勢のコンサルタントを抱えて経営を成り立たせていくためには、新たに仕事を作り出していく必要がある。そのなかで、薄利多売でも売り上げを伸ばしていくということなのだと思う。 ■コンサルの俗化現象が始まった 世の中の流れに引っ張られるように、戦略系コンサルもかつての少数精鋭主義を断念し、社員増に伴って薄利多売の方向へと舵を切っているというのが現状だろう。「コンサルタントの俗化現象」といってもいいかもしれない。
俗化現象によって、企業は企業で、以前よりも安易にコンサルに依頼する傾向が強くなっているように思う。 ひと昔前のように、社運をかけて戦略系コンサルタントを雇うのではない。ちょっとした業務改善と社員教育まで含めた、お手軽なコンサルタンティングを求めて、総合系やIT系などのコンサルタントを雇う。 もはやコンサルタントという同じ呼称でも、かつてのコンサルタントとは求める能力やスキル、イメージも変わってきているということだ。