【シリーズ13万枚突破】ニトリ『重い毛布』が大ヒット商品に成長した秘密 販売開始から5年で重ねられた改良、「カバーの付け外しが大変」「重くて洗いにくい」の声にも対応
冬本番が近づき、暖かい布団が恋しくなる時期に密かな人気となっているのが、株式会社ニトリ(以下、ニトリ)の『重い毛布』だ。これまで日本の寝具業界では羽毛布団に代表される“軽さ”が強調されてきたきらいがあるが、ニトリの『重い毛布』は真逆の“重さ”がウリ。販売を開始して5年間でシリーズ13万枚を売り上げる大ヒット商品となっている。 【写真】重量は約5.5kg 暖×重さが特徴のニトリ『重い毛布』
一般的な毛布の2.5~4倍もの重さがあり、“密着感”が特徴の『重い毛布』は、現在4.0kg/5.5kg/7.0kgの3タイプで販売中。それぞれ4990円/5990円/6990円と、毛布としては比較的高価格帯の商品ながらも、購入者からの評価は高い。 SNS上でも《掛け布団ナシでも充分あったかいし、包まれる安心感が最高!》《入眠前のソワソワ感が軽減されてすぐ眠れる!》と大反響で、《心地よすぎてベッドから抜け出せない…》と虜になる人もチラホラ。その人気の背景を探るべく、ニトリ商品部担当者に話を聞いた。
なぜ“重さ”に注目したのか
ニトリの『重い毛布』が登場したのは2019年9月。最近でこそさまざまなメーカーが“重たい”毛布商品を販売しているが、開発当時はまだまだ“軽い寝具”が主流だったという。そんななか、なぜニトリは『重い毛布』の開発に至ったのか。 「開発担当者がアメリカ視察の際に『重いブランケット』を販売しているのを見かけたところから、まだ日本の寝具業界にはない商品ということで、試売/開発を始めました。販売開始してすぐにはなかなか売れなかったのですが、徐々に口コミが広がったことで、予定よりも早い段階での完売となりました」(商品部担当者、以下「」内同) 出だしこそ売上は好調とは言えなかったものの、実際に使用した人の声が拡散されると、たちまち人気商品に。評判の声で多いのは、圧倒的な“密着感・安心感”だ。実際、重い掛け布団が睡眠の質を高めるという研究結果が米クーリー・ディキンソン病院の実験やスウェーデンの睡眠研究所など、世界の複数機関から報告されている。 ニトリの『重い毛布』も身体を包み込む密着感からハマる人が続出しているようだが、担当者によれば、「冷気が入りづらく暖気が逃げにくいという特徴があるため、寒がりの方にもオススメの商品」だという。ただし、「加重が掛かりすぎてしまうため、お子さまにはおすすめできません」とのこと。通販ページ・売り場の販促物にも記載があるが、購入の際には十分な注意が必要だ。