「ゴーストタウン」の東京から一変 パリ五輪ゴルフ“想像以上”の熱気とマナー違反
◇パリ五輪 男子 初日(1日)◇ル・ゴルフ・ナショナル(フランス)◇7174yd(パー71) 【画像】五輪映え 松山英樹と同組のトミー・フリートウッド(英国)が1番ティに登場すると、「トミー」コールが沸き起こる。開催国フランスのマチュー・パボンにはサッカーのスタジアムに来たのかと錯覚する“大合唱”のプレゼント(ちなみにパボンの祖父と父は元プロサッカー選手)。「フランスでゴルフは人気がないのでは」との懸念もなんのその。初日から多くのギャラリーを集めたル・ゴルフ・ナショナルには、メジャーともひと味違うオリンピック特有の熱気がある。 ゴルフが112年ぶりに復活した2016年リオデジャネイロ五輪はトップ選手の出場辞退が相次いだ。2021年の東京五輪はコロナ禍で無観客開催。今回のパリが五輪競技としてのゴルフのポテンシャルを感じられる初めての機会とも言える。
ロリー・マキロイ(アイルランド)は「信じられない。驚いたよ。ゴルフトーナメントはゴルフトーナメントなんだけど、僕の想像以上にエネルギッシュでクール。最高だった。『東京』はゴーストタウンだったからね」と興奮気味に話す。目立つのは国旗を手に応援するギャラリーの多さ。ナショナリズムを刺激するのも五輪ならではだ。 「25%くらいはゴルフのギャラリーというより、スポーツを見に来たカジュアルなギャラリーだったんじゃないかな。そういう人たちの前でプレーするのも、エネルギーが湧いてきていいものだよ」。マキロイはギャラリー層の違いにも触れて終始肯定的だったが、世界ランキング1位のスコッティ・シェフラー(米国)はゴルフ観戦に慣れていないギャラリーのマナーについて毅然と指摘した。
「コース上ではちょっとした“雑音”もあったように思う。携帯電話が鳴ったり、カメラのシャッター音がしたりということは、僕らが慣れ親しんだトーナメントよりも確かに多かった。スイング中には音を立てないようにと伝えることができなかった」 ただ、五輪初出場のシェフラーも星条旗を手に「USA」コールで後押ししてくれるギャラリーには心を動かされた様子。「きょうはエキサイティングだった」と雰囲気をかみ締めていた。次週7日から行われる女子ゴルフも含めた8日間のギャラリー数は20万人に達するとの予想もある。(フランス・ギュイヤンクール/亀山泰宏)