全国高校サッカーに「赤い彗星」東福岡が3大会ぶり登場…心肺機能と筋力強化「強豪と戦うのが楽しみ」
「赤い彗星」の異名を持つ九州の雄が3大会ぶりに全国高校サッカー選手権大会の舞台に帰ってくる。過去3度の優勝を誇り、23度目の出場となる東福岡。赤いユニホームに身を包んだ選手たちを今季から率いる平岡道浩監督は、「今までにないぐらい追い込んだ。全国の強豪と戦うのが楽しみ」と自信をのぞかせる。 【写真】全国高校サッカー選手権福岡大会の決勝で熱戦を繰り広げる選手ら
自身も全国選手権の出場経験があるOBで、大学卒業後、24年間コーチを務めてきた。約20年にわたって指揮を執った森重潤也前監督の退任に伴って後を継いだが、まず力を入れたのが、選手たちの心肺機能と筋力の向上だった。
その背景には2022、23年度の県大会決勝で敗れた新鋭・飯塚の存在があった。ベンチから試合を見ていて「パワー、スタミナで圧倒されている」と痛感させられた。
毎週末のように試合を組むことで体力面の強度を上げていたが、新たに毎週水曜日に走ることに重点を置いた練習を始めた。総走行距離が10~12キロになるよう選手に課した。
成果は徐々に表れた。高円宮杯U―18(18歳以下)プレミアリーグでは、Jリーグクラブの育成組織にも力負けしなくなった。「ボールを使いながらしっかり走り、相手のドリブルについていく。そこにボールを奪う技術や粘りが身についた」(平岡監督)
チームが掲げる「手堅い守備」の意識にもつながり、今年度の全国選手権県大会では全3試合を無失点で守り切った。「相手チームには足がつった選手がいたが、自分たちはいなかった」。主将のDF柴田陽仁(3年)は胸を張った。
平岡監督が「不変」と言い切るように、サイド攻撃を重視する従来の姿勢はそのままに、新たにパワーとスタミナを身につけて進化を遂げた伝統校が9大会ぶりの頂点を目指す。(平島さおり)