産経コラム問題 韓国の法制度で名誉棄損にあたるのか?
品格落とす? 器量が狭い?
一方、真偽不明の情報をソースに「オトコとオンナ」のスキャンダルっぽく書いた今回の記事に対して、まがりなりにも支局を持ち歴史のある新聞社としてあまりにも品性がなさ過ぎるという意見もあります。 韓国在住のある日本人記者は、以下のように述べました。 「日本の全国紙である産経新聞は、『日本の言論』という看板を背負っている新聞の一つであることは間違いない。週刊誌やタブロイド紙ならともかく、全国紙が書くにはあまりにも下品な推測内容だ。日本のメディアの品格を落とすことになりかねない」 産経新聞のコラムは、あくまでも朝鮮日報のコラムを下敷きにしていますが、そのうえで証券街の関係者のコメントを紹介しながら、朝鮮日報のコラムの裏には「大統領とオトコ」の話が隠れていると推測するような記事となっています。コラム中にも、これらは全て真偽不明のウワサであり、都市伝説であると書かれていますが、読み方によっては産経新聞が主張するような「空白の7時間」が主題ではなく、「大統領とオトコ」が主題のコラムと解釈されかねません。 朝鮮日報ではなく産経新聞だけが問題になったのは、怪しい情報やウワサを元に産経新聞が、朴槿惠大統領の「男女関係」に踏み込んだことに対して、「そのままにしておけば朴槿惠大統領の名誉にも関わる」と韓国大統領府の判断があったのかもしれません。 その一方で、韓国内でも「外国メディアのスキャンダラスな記事に大統領府が目くじらを立てるのも器量が狭すぎる」という意見もあります。そして、産経新聞に対する朴槿惠政権の対応の裏には、今の韓国の対日感情が見え隠れします。
産経新聞を狙い撃ち?
今回のコラムが、例えば別の新聞だったら別の対応になっていたのかもしれません。韓国内では、「産経新聞は右派新聞の代表格」と見られています。日韓間でいまだに論争が続く歴史認識などでも、韓国の主張とは真逆の報道内容が多い新聞という評価が一般的です。とりわけ朴槿惠大統領が重要視する「慰安婦問題」に関しては否定的な論調です。 韓国は大統領制です。日本の国家元首である首相以上に、大統領は国の「顔」であり「象徴」でもあります。その象徴が外国メディア、ましてや韓国の国民感情を逆なでする日本の産経新聞にスキャンダラスに報じられたことが、韓国大統領府や朴槿惠支持層の逆鱗に触れたのかもしれません。