「涙のDeNAおじさんが周りにアイスを」「山川も甲斐も…」日本シリーズ全戦観戦で見た“下剋上の全て”…貯金42ホークスの異変が起きるまで
“口笛騒動”の第3戦から情勢がひっくり返り始めた
その情勢が一気にひっくり返ったのは、10月29日から始まった福岡での3連戦だった。ソフトバンクのファンの脳裏には2020年に巨人を4タテした日本シリーズが浮かんでいたと思うが……。 第3戦、両チームの先発はスチュワートJr.と左腕の東克樹だった。立ち上がりスチュワートJr.は牧秀悟のショートゴロの間に先制を許す。しかしその裏、東もDHで復帰した近藤に先制タイムリーを打たれて、1-1の同点に。 5回、小久保監督は2回以降無失点だったスチュワートJr.を降ろして本来先発の大津亮介を上げる。短期決戦でよく見る「第2先発」だったのだろうが、代わり端、先頭の桑原が大津の球に食らいついて左中間に本塁打を打つ。続く梶原昴希の当たりは二塁への内野安打。動揺したか、牧、オースティンを歩かせた大津は、筒香にあわやグランドスラムという犠飛を打たれた。DeNAは8回にも戸柱恭孝のタイムリー二塁打で突き放した。これに対してソフトバンクは、安打は出るものの本塁が遠く、1対4で敗退した。 DeNA東は初回に失点しただけで7回を投げ切る。途中「口笛による妨害」もあったが、エースらしい投球だった。
「山川打ってないぞ、甲斐も…」
第4戦、ソフトバンクは石川柊太、DeNAは左腕のケイ。石川は4回にオースティンに本塁打を打たれる。以後は立ち直ったのだが、小久保監督は6回、オースティンに打席が回ってくるところで石川を降ろし尾形崇斗にスイッチ。しかし尾形は次の回に宮崎敏郎の一発と桑原の二塁打などでDeNA打線の餌食になった。 DeNAケイは素晴らしい快投で7回102球零封。坂本裕哉、ウェンデルケンも無失点。5対0でDeNAが完勝し、五分となった。 ここへきてソフトバンク強力打線の異変が「ヤバい」と認識され、こんな声も聞こえてきた。 「おいおい、山川ずっと打ってないぞ。甲斐も日本シリーズ0安打だ」 第5戦の先発は大関、ジャクソン。大関は制球が定まらず2回までに4四死球、3回、牧、フォードに安打を許し、筒香に先制のタイムリーを打たれると、小久保監督は大関を下げ、松本晴を上げる。 しかしDeNAは続く4回、3人目の左腕、前田純に襲いかかり今シリーズあまり当たっていなかった牧が3ラン。ジャクソンは初戦とは打って変わってチェンジアップなど緩急を交えた投球で7回を完封。ソフトバンクはわずか4安打でDeNAに0対7で零封された。 これで横浜への帰還が決まったわけだが、11月2日の第6戦は豪雨によって早々に中止が決まった。
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