大谷翔平が発言「世界一をあと9回」その“本当の意味”…じつはドジャース編成が見抜いていた「ヤンキースは守備崩壊する」チームメイトが酷評のウラ側
「ヤンキースはワースト」「打球を転がせ…」
一見、相手のミスに乗じたラッキーな攻撃だが、ドジャースは実に計画的にヤンキースからミスを引き出すべく戦っていた。ニューヨーク・ポスト紙のジョエル・シャーマン記者は10月31日付の記事で「ドジャースがワールドシリーズ前に行ったミーティングでスカウト陣は選手たちにヤンキースの欠点についてレクチャーした。それは、彼らが才能に頼り基本を疎かにしているという点だった。しっかりと狙いを持ってアグレッシブに走れば、ヤンキースは勝手に自滅してくれる。打球を転がしてインプレーの状況を作り、相手に守備をさせる状況に持っていくことが非常に大事で、データの数値によると外野のポジション取りもメジャーワースト。攻撃面では走塁がとにかくメジャーワーストで、地区シリーズで戦ったパドレスよりはるかに劣っている」と書いている。
フリードマンが明かした「世界一の裏側」
ドジャースのアンドリュー・フリードマン編成本部長はメッツとのリーグ優勝決定シリーズに入る前、球団のスカウト部門を総動員した徹底したスカウティングについて語っていた。 「ポストシーズンまでの1カ月間、スカウト部門は複数人のグループを編成して対戦する可能性のあるチームにベタ付きし、事細かに調査した。どこと対戦するかはまだわからない段階だったから、多くのスカウトグループは無駄骨になり、膨大なスカウティングレポートもお蔵入りとなった」 だが、そうした一見無駄に終わった労力の積み重ねが大きな結果につながり、ワールドシリーズ制覇達成。 「早くから大変な労力を使い努力を惜しまなかったスカウトたちには、本当に頭が下がる。パドレスを担当してくれたスカウトグループは完璧に行き届いたレポートを用意してくれていて、最初は1勝2敗と追い込まれたが、シリーズ後半で効果的に活用して連勝できた。スカウティングレポートの中に些細なことだが貴重な情報があり、それが役に立った。メッツ担当グループは、リーグ優勝決定シリーズの相手がメッツに決まったとき、仕事が報われたと飛び上がって喜んでいた。そのレポートは、非常に詳細なものだった。もちろんそれらのレポートを実際に役立てるコーチ陣の素晴らしい仕事ぶりも忘れてはならない」 フリードマン氏はそう振り返っている。 ワールドシリーズ制覇を果たしたとき、移籍1年目で悲願を達成した大谷がシャンパンファイトの最中に「これをあと9回やろう」とフリードマン氏に軽口をたたいたことが話題になったが、選手がフロント幹部にそんな言葉をかけるというのはなかなか見ない光景だ。選手や監督、コーチだけでなくスカウトやフロントスタッフも含めて全員で勝ち取った頂点というのが、その言葉からにじみ出ていた。
(「メジャーリーグPRESS」水次祥子 = 文)
【関連記事】
- 【変わりすぎ写真】「えっ、球場騒然…ヤンキースの守備が崩壊した決定的瞬間」ガリガリだった大谷のエンゼルス時代→「腕が“まるでハルク”の太さに進化」ドジャース同僚に愛される大谷翔平まですべて見る
- 【あわせて読みたい】「(水原一平事件で)オオタニを疑う報道もあったよね…」ドジャース現地ファンに聞いた“大谷翔平への本音”「ベッツとオオタニが話すシーンが大好きさ」
- 【必読】「あれはオオタニがテオスカーを気遣ったんだ」ドジャースの控え捕手が語る“大谷翔平の優しさ”「オオタニはスターだし…緊張したよ」チームメイトの証言
- 【衝撃ルポ】「史上最悪のシーズンだったよ」大谷翔平が消えた“エンゼルスの今”…球団ワースト99敗、番記者に聞いた「ファンはオオタニにモヤモヤ」
- 「オオタニは言い訳できない」ロバーツ監督、異例の苦言のウラ側…大谷翔平と監督の信頼関係、ドジャースのエースが明かす「ショウヘイにも公平なんだよ」