OpenAI取締役のAIスタートアップSierraが目指すチャットボットのパーソナライゼーション
現在も課題の多いAIによるカスタマーサポート
SierraとRasa、この2つの企業に共通しているのは、どちらの企業も「ハルシネーション(AIが事実に基づかない情報を生成する現象)」といった問題に取り組んでいると主張していることだ。 カスタマーサポートにおいて、「もっともらしい嘘」とも言われるハルシネーションが頻繁に起こる場合、AIの回答を人間が頻繁にチェックしなければならず、見逃せば企業の信用問題にも関わるため、このハルシネーション対応の取り組みがどの程度の成果を生んでいるのかには、注視しなければならないだろう。 国境を超えてサービス展開する企業が増えている昨今、24時間、1年中、多言語で対応できる大規模なカスタマーサポートを人間が全て行うのは不可能だ。AIに寄せられている期待は大きく、BtoBマーケットレポート専門調査企業であるMarkets and Marketsによると、会話型AI市場は2023年に107億ドル、2028年までに300億ドル近くに達すると予想されている。 SierraやRasaなどのチャットボットがどこまで進化するのかは、企業だけではなく、なかなか繋がらないカスタマーサポートにやきもきさせられたことのある一般消費者にとっても、気になるところではないだろうか。
文:大津陽子/ 編集:岡徳之(Livit)