いま「子ども学部」で学ぶこととは 保育士から幼稚園・小学校教諭の3つの資格を取得
5カ所での実習を体験
高校生のときに東京成徳大学のオープンキャンパスに参加し、小学校教諭免許状も取得できることを知りました。 「幼稚園教諭、小学校教諭というどちらの選択肢も4年間の中で考えられるのがいいなと思いました」 入学後に特に印象に残っているのが、心理学の授業です。4年間を通して、幼児の心理、児童の心理、家族の心理などを学んでいきます。 子ども学部は実習が多く、東京成徳大学では2年次から実習が始まります。尾上さんはこれまで、公立と私立の保育園でそれぞれ12日間、私立幼稚園で10日間を2回、児童養護施設で12日間、公立小学校で4週間の実習を体験しました。4年次の5月からの小学校実習は、進路を決定づける大きな経験となりました。 「約30人の児童がいるクラスを受け持ちました。当たり前ですが、一人ひとり特性は異なっていて。書いたり考えたりするスピードが速い子、ゆっくりの子がいますし、なかなか授業に気持ちが向かない子もいます。担任のサポートはありましたが、一人で対応していく難しさを感じました。でも児童からキラキラした顔で『先生のおかげでプリントを全部埋められたよ』と言ってもらったり、『算数のおもしろさがわかった』といった感想をもらったりして、やりがいを感じました」 実習に行ってみて、大学の授業が役立ったと感じた一つが、表現に関する授業です。音楽や造形の表現のほか、遊びを作り出すといった授業です。 「例えば『光で遊ぶ』というテーマだけがあって、光を使ってどうやって遊ぶのかは自分たちで考えます。子どもに戻ったみたいに夢中になって遊ぶなかで、子どもの立場になって考えるということが身についていきました」 子ども学部で特に力を入れている表現の授業を担当する味府(あじふ)美香教授はこう話します。 「表現活動というのは得意、不得意が出やすい分野です。グループで一つの作品や遊びを作り出す場面も多く、個人差がある中で一つのものを作り出そうとすると、どうしても衝突が起こりやすくなります。そうした衝突は子どもたちの中で実際によく起こることで、表現活動を通して実際に友だちと衝突したり、それを悩んで解決したりしながら学んでいきます」