初の42.195キロ 魅力度ランキング42位の徳島で気づいた、マラソンの〝新たな可能性〟
地方には足を運んでみることでわかる魅力が確実にあるーー。昨夏、東京から徳島に移住したウェブメディアの編集長・伊藤あかりさんは、3月に人生初のフルマラソンに参加してそう感じたそうです。他県からの参加者も多く、そこには「マラソンをしながら徳島の名産を一通り体験する」システムができあがっていました。 【画像】徳島へ〝移住〟は正解だったのか…リアリティー連載「子連れ脱出記」 <伊藤あかり> Z世代女性向けエッセイ投稿メディア「かがみよかがみ」編集長。 2009年朝日新聞社入社。2019年に「かがみよかがみ」を立ち上げ編集長に。事業移管により、2023年4月からサムライトへジョイン。現在徳島ミライラボ長として、「Z世代×地方創生×女性活躍」を軸に関西・四国から事業展開を始めている。
「何をするにも体力だ!」
3月のフルマラソンに出場しようと決めたのは昨年11月下旬のこと。 疲労困憊(こんぱい)の2歳児子育てをもっと楽にこなすために必要なのは、体力と経済力だと気づいたからだ。私の場合、経済力をつけるよりも、体力をつける方が簡単そう。体力をつければ経済力も上がりそうだから。 でも、その逆はない。「そうだ! 何をするにも体力だ! マラソンだ! フルマラソンにエントリーだ!」と思い立ったわけである。 目指すは2024年3月24日開催のとくしまマラソン。調べてみると、地方で開催されるマラソン大会はけっこうある。 それぞれ特色を出しているのが面白い。大阪マラソンではたこ焼きや肉吸いも出るらしい。名古屋ウィメンズマラソンでは、なんとティファニーのペンダントがもらえると人気だ。どの大会に出ようかと考えるだけでワクワクする。 私の場合、もはや走ることかプレゼントか、どちらが目的かわからなくなってきている。個性的なマラソン大会が、こんなにも各地で生まれているとは……。
「音声ガイドラン」に背中を押されて
大会を決めたら、体づくりだ。さっそく11月末にランニングシューズを買い、練習を始めた。本番まで4カ月を切っている。時間もないので「まずは30分歩くところから~」という入門編をすっ飛ばし、週に2~3回5キロずつ走り、週末は10キロ走った。 走るときは、距離や時間にあわせてトレーナーがランニングのアドバイスをしてくれるナイキのアプリ「音声ガイドラン」を使っていたのだが、これが「褒められて伸びる」タイプの私にはぴったりだった。 「(アプリの)スイッチをいれた時点で、あなたは目的の半分を達成している! えらい!」 「きょう走ったことで、昨日のあなたよりも間違いなく成長している!」 「走ったあとに、走らなければよかったと後悔している人はいません!」 仕事前に音声ガイドランのコーチに激励してもらい走ることで、そのまま仕事も「私はできる! 私はできる!」モードで突入できたのもよかった。