会見を行ったWBOアジア・パシフィック・バンタム級王者の那須川天心（撮影・野上伸悟）

　無敗の格闘家でプロボクシングWBOアジア・パシフィック・バンタム級王者の那須川天心（26＝帝拳）が来秋のプロ8戦目で世界挑戦する見通しとなった。 　14日、東京・有明アリーナでジェルウィン・アシロ（フィリピン）との同級王座決定戦で10回判定勝利を挙げてタイトル初奪取に成功。一夜明けた15日、所属ジムの本田明彦会長は「（那須川）天心はあと2試合やって、順調にいけば1年後の来秋には（世界戦を）十分にやれる」と8戦目で世界挑戦させる方針を明かした。 　既にWBAとWBCでバンタム級3位に入っているため、那須川はWBOアジア・パシフィック同級王座を返上する意向。来年2月に予定される6戦目、同6月に予定される7戦目で「世界前哨戦」に臨み、世界挑戦への準備を進めることになる。また12月には米合宿にも取り組む予定だという。 　アシロ戦勝利から一夜明けた15日には東京ドームホテルで会見した那須川は「（アジア王座奪取で）挑戦権を獲得しました。1個の形としてベルトが取れたのはうれしい。でも目指しているのはこのベルトではないので、重みを感じつつ、次にいきたい」と決意を新たにしていた。【藤中栄二】