KERA版「桜の園」開幕、「天国のチェーホフを小躍りさせてみせましょう」
シス・カンパニー公演 KERA meets CHEKHOV Vol.4/4「桜の園」が本日12月8日に東京・世田谷パブリックシアターで開幕する。 【画像】シス・カンパニー公演 KERA meets CHEKHOV Vol.4/4「桜の園」より。(撮影:宮川舞子)(他5件) 本作は、シス・カンパニーとケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下KERA)がタッグを組み、アントン・チェーホフの四大戯曲を上演するシリーズ“KERA meets CHEKHOV”の最終章。 上演台本・演出を手がけるKERAは、開幕に際し「11年かけてSISカンパニーとの共同作業を続けてきたチェーホフ四大戯曲の上演がついに完結する。掉尾を飾るに相応しい舞台に仕上がってるはず。キャスト、スタッフと共に、そりゃもう、頑張りました。天国のチェーホフを小躍りさせてみせましょう」とコメント。 ラネーフスカヤ夫人を演じる天海祐希は「チェーホフ戯曲を演じるのは初めてです。以前は、もっと難解で高尚なイメージをもっていたのですが、ここに出てくるのは不完全で愛おしい人ばかり。大きな時代の流れの中で、誰もが皆一生懸命生きているんだと思うと胸が熱くなります。それにしても、ご一緒の皆さん、本当にすごいメンバーばかりで、どこを見ても面白いんですよ。また、KERAさんに演出を受けるのも初めてなのですが、厳しくも優しい方で、毎日が楽しく勉強になることばかりです。こんな受け取り方や表現の仕方があるんだなと、KERA版『桜の園』を楽しんでいただけたら嬉しいですね」と思いを語る。 トロフィーモフ役の井上芳雄は「派手な出来事は描かずに、その前後の状況や人々の変化を描いていくのがチェーホフ戯曲の作風ですが、そこにすべてのドラマがあるという見せ方は、自分にとって大きな発見でした。その周辺に何があるのかを探ることは、芝居でも人間を考える上でも重要だと思います。120年前に書かれた戯曲ですが、世の中のすべての人間のタイプが登場しているのでは、と思うくらい多種多様な人物が出てきます。それがチェーホフが世界中で上演され続けている理由かもしれません。これが喜劇なのか悲劇なのか、観客の皆さんも見終わった後に楽しく思いを巡らせてみてください」と観客にメッセージを送った。 物語の舞台は、19世紀末ロシアのとある貴族の屋敷。長く外国に滞在していた女主人ラネーフスカヤ夫人は、娘のアーニャと家庭教師のシャルロッタを連れて、桜に囲まれたこの美しい屋敷に帰ってきた。屋敷の財政はすでに火の車だが、ラネーフスカヤ夫人とその兄ガーエフは現実に向き合えず、浪費を繰り返している。そんな一家を救おうと、元農奴の息子で現在は商人として頭角を表しているロパーヒンは救済策を提案するが、夫人たちは取り合わない。また一家には、隣の地主ピーシチク、屋敷の事務員エピホードフ、小間使いのドゥニャーシャ、夫人の従僕ヤーシャ、夫人の亡き息子の家庭教師だったトロフィーモフら、さまざまな人物が出入りしていて……。 上演時間は休憩を含む約3時間、東京公演は12月27日まで。本公演はその後、1月6日から13日まで大阪・SkyシアターMBS、18日から26日まで福岡・キャナルシティ劇場にて行われる。 ■ シス・カンパニー公演 KERA meets CHEKHOV Vol.4/4「桜の園」 2024年12月8日(日)~2024年12月27日(金) 東京都 世田谷パブリックシアター 2025年1月6日(月)~2025年1月13日(月・祝) 大阪府 SkyシアターMBS 2025年1月18日(土)~2025年1月26日(日) 福岡県 キャナルシティ劇場 □ スタッフ 作:アントン・チェーホフ 上演台本・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ □ 出演 天海祐希 / 井上芳雄 / 大原櫻子 / 荒川良々 / 池谷のぶえ / 峯村リエ / 藤田秀世 / 山中崇 / 鈴木浩介 / 緒川たまき / 山崎一 / 浅野和之