EU、対米貿易摩擦再燃なら対応用意 トランプ政権次第=駐米大使
David Lawder [ワシントン 22日 ロイター] - 欧州連合(EU)のヨビタ・ネリウプシエネ駐米大使は22日、トランプ次期政権下で対米貿易摩擦が再燃した場合、EUは対応する用意があると述べた。 ネリウプシエネ氏は記者会見で、トランプ氏が米国の輸入品に10─20%の関税を課すと宣言したことに対し、EUが報復措置を講じる可能性についてはコメントを控えた。 同氏は、米国はEUにとって最も重要な貿易相手国であり、双方向のモノとサービスの貿易は1兆7000億ドル、双方向の投資は5兆ドルに上ると指摘。エネルギー分野など、より多くの分野で協力する機会があるとした。 その上で「新たな貿易摩擦が生じれば、EUは対応する用意がある」と述べた。 トランプ氏が関税を課した場合、欧州は大きな痛手を被る。米国勢調査局によると、EU加盟27カ国は2023年に輸出総額の約20%を占める5763億ドル相当のモノを米国に輸出し、モノの貿易黒字は2086億ドルに上る。 エアバスとボーイングに対する政府補助金を巡る貿易紛争で、米・EUは21年に報復関税を5年間停止することで合意したが、ネリウプシエネ氏は貿易摩擦が再燃した場合に停止措置に影響が及ぶかとの質問に、EU側にそのような意図はなく、米国側次第だと答えた。