≪年末回顧≫国内スポーツの祭典 国スポ・全障スポを振り返る【佐賀県】
シリーズでお伝えしている年末回顧。今年は半世紀ぶりに県内で行われたスポーツの祭典。県民の胸に感動を刻んだ国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会を振り返ります。 【リポート・川野優也】 「佐賀市のSAGAスタジアムです。各都道府県の選手団が入場してきました。新たなスポーツの祭典、国民スポーツ大会の本会期が開幕します」 【天皇陛下開会式ご挨拶】 「SAGA2024の総合開会式に全国各地から参加された選手、役員、そして開催地である佐賀県の皆さんとともに出席できることをうれしく思います」 県内各地の会場に、選手や観客など約49万5000人が参加した国民スポーツ大会。大会のメイン会場の1つとなった佐賀市のSAGAアリーナ。いくつものドラマが生まれました。 まずは柔道成年男子。 初めて佐賀選手団に入ったパリオリンピック銀メダリストのウルフ・アロンが奮闘します。 決勝の茨城相手にどちらにも勝敗がつかないまま迎えた副将戦。 最後は伝家の宝刀「大外刈」で勝負あり。 佐賀は初の金メダルを手にしました。 水泳では15歳の中学生が快挙を達成しました。 少年男子(B)100m平泳ぎ決勝のレースに臨んだのは佐賀市金泉中学校3年の野中龍生。 トップでゴールした高校生の選手にわずかに及びませんでしたが、自身がもつ日本中学記録を更新する1分1秒41。 堂々の準優勝でした。 【水泳100m平泳ぎ準優勝 野中龍生選手】 「滑るように泳げて後半につながる泳ぎができたので、良いと思った。きょうの泳ぎは200点くらい」 トランポリンは、結婚を機に佐賀と縁ができた杉原玲奈が華麗に宙を舞います。 高さと美しさを兼ね備えた演技で観衆を魅了。4位入賞と健闘しました。 【トランポリン4位入賞 杉原玲奈選手】 「高さを上げて演技をすることができて良かった。自分的にはすごく満足しています」 フェンシング成年女子サーブル。 パリオリンピック銅メダリスト高嶋理紗を擁する佐賀は決勝で東京と対戦。 高嶋が伸びのある攻撃で相手を制し、佐賀、待望の初優勝です。 陸上には県勢約30人が出場。 800mでは、致遠館高校出身の岡村颯太が出色の走りを見せます。 最後の直線も駆け抜け大会新記録の1分47秒09。圧倒的な走りで頂点に立ちました。 【陸上800m優勝 岡村颯太選手】 「“ぼくの県”が国スポ開催ということは運命的なことですし、めっちゃ楽しかったです」 【リポート・岩部真衣】 「団体が行われるきょう、会場には多くの人が応援に駆けつけています」 一方、佐賀の国スポでは2008年大分国体以来の競技実施となったものも。 新体操・少年男子です。佐賀代表の神埼清明高校は全国高校選抜、インターハイに続く“高校3冠”を狙います。 クライマックスで披露したのは、チームが1年間磨いた大技「ブランコ」。 この技を完璧に決めて見事頂点に。高校3冠を達成しました。 快挙達成から2カ月あまり。 優勝メンバーの1人、3年生の米光悠大は国スポをこう振り返ります。 【神埼清明高校3年 米光悠大選手】 「声援は後ろからが特に大きく聞こえました。後ろから押される感じ。最後のブランコでいつも以上のことパフォーマンスが出せた」 来年の春からは新体操の強豪、国士舘大学で競技を続けるといいます。 【神埼清明高校3年 米光悠大選手】 「あの舞台で演技できたことは人生であるかないかのことなので。あの観客の人数の前でできたから、自信をもって新体操をやっていこうと思います」 国スポの後に3日間にわたって行われた全国障害者スポーツ大会。 陸上の800mで会心の走りを見せたのは伊万里市出身の大川内健太。 決勝のレースでは、序盤に抜け出すと一気に後続を突き放します。 勢いそのままに自身が持つ大会記録に迫る2分0秒をマーク。 大川内は4×100mリレーでも優勝、1500mは準優勝で3つのメダルをつかみました。 ラバーが付いていないラケットと鉛が入ったボールを使う視覚障害者向けの卓球サウンドテーブルテニス。 有田町出身の牧野愛菜は強気に攻めるスマッシュが光り、銀メダルでした。 【リポート・波佐間崇晃】 「白石町のグランドソフトボールの会場です。朝まで雨が降っていましたが、天候は回復しています。プレーはできそうです」 白石町で行われたグランドソフトボールは、全盲の選手がピッチャーを務め、バッターは3バウンド以上のボールを打ちます。 佐賀は1勝を目指し、初戦で神奈川と対戦。 佐賀3点リードで迎えた最終回。 エース佐藤悟はランナーの出塁を許すも最後は三振で切り抜け勝利。 チームにとって大きな1勝をあげ、4位入賞でした。 【グランドソフトボール4位入賞 佐藤悟選手】 「応援していただいた方がたくさんいるので、1勝できてうれしいです」 約2カ月にわたり開かれた国スポ、全障スポ。各地で戦ったアスリートたちの記録や記憶に残るプレーで佐賀は大いに盛り上がり、来年の滋賀大会へとバトンをつなぎました。
サガテレビ