今年一番ヒットしたドラマ「ふてほど」に登場する「レトロ喫茶」は実在する? 他にも「相棒」「下町ロケット」などのロケ地で味わう“至福の一杯”
作中で賀来賢人さん、柄本時生さん、落合モトキさん、そして岡田将生さんが演じる、掃除屋「整理整頓」のメンバーたちがよく通っていたお店がありました。それが、物語の舞台となった「ブラウン喫茶・デルコッファー」です。ドラマにも実名で登場します。 ドラマのタイトルになった実際の錦糸町までは、徒歩で20分くらいと少し離れていますが、都営地下鉄浅草線の本所吾妻橋駅からはすぐ。店内はこぢんまりとしていますが、コーヒーの良い香りが包み込んでいます。カウンターや席の細かい部分まで装飾が施されていて、不思議と落ち着けます。
「デルコッファー」とは、ドイツ語で「スーツケース」という意味で、旅に出たくなるような装飾や、コーヒーにも各地のブレンドがあって、オーナーのこだわりが感じられるお店です。 ここの名物は銅板で焼いた自家製のホットケーキ。その場で調理してアツアツのままいただけます。また、アイスティーやクリームソーダなど、レトロな昭和のグラスで出てくることもポイント。どの写真も絵になることは間違いありません。 ■姿を消しつつある「レトロ喫茶」
昭和にタイムスリップした「ふてほど」。そのロケ地としては、昭和の香りを残している「昭和レトロな喫茶店」がぴったりでした。 今回ご紹介したような昔ながらの喫茶店は、店内の装飾やクリームソーダなどの喫茶店メニューが「映える」として、若い人たちにも人気が出ています。しかし、残念ながらそういった好影響もむなしく、年々、その姿を消しつつあります。 東京商工リサーチの調査によると、2021年に休廃業・解散した喫茶店の数は、調査を開始した2000年以降、過去最多を記録しました。
その理由として、大手チェーンや「コンビニコーヒー」との競争激化に加えて、物価高や人件費の高騰化も影響しているとのこと。また、コロナ禍を経て、在宅勤務やオンライン商談なども増え、ブームになっている反面、日常使いしている人たちの数は減っているのです。 ロケ地として利用されている喫茶店は、今の時代に貴重な風景を残す遺産ともいえます。できるだけ長く味わいたいものです。 (なお、年末年始は営業日時を変更している店舗もあります。お確かめのうえ、お出かけください)
【写真】美しすぎる…“超レトロ”な店内と、“まさに喫茶店”な神メニューの数々【すべてを見る】(35枚)
古関 和典 :ロケ地研究家、コンテンツツーリズム研究家