武田修宏氏が期待する（左から）松木玖生、藤田譲瑠チマ、細谷真大

　大岩ジャパンは最大の難関をどう乗り越えるか。U―23日本代表は22日、パリ五輪アジア最終予選を兼ねるU―23アジアカップ（カタール）1次リーグ最終戦の韓国戦で0―1と敗れた。B組2位で準々決勝（25日）の相手はA組1位のカタールに決定。負けたら終わりの大一番は、相手が中東の強豪で開催国、しかも日本だけ中2日と不利な材料が揃う。元日本代表FW武田修宏氏（56＝本紙評論家）が決戦の行方を展望した。 【写真】　スペイン紙が細谷真大を「アジアカップの隠れた逸材」に指名 　日本は優勢に試合を進めながらも決定機をつくれないまま終盤を迎え、後半30分にCKからMFキム・ミヌにヘッドで決められて痛恨の先制を許す。その後は懸命の反撃を見せるもゴールは遠く、宿敵相手に黒星を喫した。 　この日の試合で注目を集めたのが、大岩剛監督（51）の選手起用だ。前戦に続いてスタメンを7人入れ替えた上で、いまや絶対的な大黒柱のMF松木玖生（20＝FC東京）とMF藤田譲瑠チマ（22＝シントトロイデン）を2試合連続でスタメンから外した。 　この起用法について、武田氏は「松木や藤田といった主力は温存しようとしたんだと思う。突破を決めた試合で、次も中2日の試合。2人（の起用）を途中からにした。日韓戦にこだわるよりも、あくまで次の戦いを想定したと思う。（次戦の）相手も、どちらにしても差はない。決勝トーナメントの厳しい試合に力を入れようと考えたのでは」と分析した。 　これで日本は準々決勝でカタールとの対戦が決定。相手はA代表がアジア王者、しかも今大会は開催国で完全アウェーの状況となった。さらに相手の中3日に対して日本は中2日と不利な材料が揃っている。それでも、武田氏は「ポジティブに考えれば、完全アウェーで逆に開き直ってイケイケになるかもしれない」と指摘した上で、勝敗の行方を左右する選手を挙げた。 「苦しい時はメンタルが強いこの2人に期待したい」という松木と藤田に加えて期待を寄せるのが、この世代のエースながら今大会無得点のFW細谷真大（22＝柏）だ。「ここまで来たら、最後まで細谷と心中してもいいと思う。カタールはスピードがあるけど、横からのクロスボールに弱さがある。そう考えると、細谷のヘディングの強さが生きる。細谷は決定機を外しているけど、ここで結果を出してひと皮むけてほしい。岡崎（慎司＝38、シントトロイデン）のように飛躍してもらいたい」。武田氏は細谷の潜在能力を買っており、大舞台での覚醒に期待した。 　8大会連続の五輪出場へ、絶対に負けられない戦いとなるカタール戦。日本の底力が試される。