【特集】被害者家族の怒り・・・石破総理「正面から向き合う」拉致被害者の一括帰国を求める集会【新潟】
11月23日、東京で開かれた「全拉致被害者の即時一括帰国を求める国民大集会」。横田めぐみさんの母・早紀江さんは、多くの被害者が帰国を果たせない現実を切実に語りました。 【動画】【特集】被害者家族の怒り・・・石破総理「正面から向き合う」拉致被害者の一括帰国を求める集会【新潟】 ■めぐみさんの母・横田早紀江さん 「突然恐ろしい悪魔が鷲掴みにして連れて行ったまま、姿も声も聞こえないような人生がものすごく長い年月続いているというわけです。本当に日本は、こんなことでいいんでしょうか。みんな恐ろしい国の中で閉じ込められて、全く考えられないようなすごい無残な要求の中で一生懸命に生きなければ帰れない、そう思って頑張っているんだと思います。『大切な宝物』を私たち日本はものすごい数の若者を失いました。」 1977年11月15日、通っていた新潟市立寄居中学校からの下校途中、北朝鮮に拉致された横田めぐみさん。拉致から47年が経ち、13歳だっためぐみさんは10月5日に60歳となりました。 国民大集会には、この人の姿も… ■石破総理 「時間はあまり多く残っていない。政府として国家主権の問題であるという認識のもと、この問題の解決に取り組む。」 いまから22年前。 北朝鮮から「横田めぐみさん死亡」の情報が伝えられました。 ■4年前に他界めぐみさんの父・横田滋さん 「私はいい結果が出ることを楽しみにしておりました。しかし、結果は死亡という残念なものでした」 ■めぐみさんの母・横田早紀江さん 「絶対にこの何もない、いつ死んだのかさえわからない、そんなことを信じることはできません。まだ生きていることを信じ続けて闘って参ります。」 その時、めぐみさんの父・亡き滋さんの隣に座っていたのが、拉致救出議員連盟の初代会長だった石破総理です。 ■石破総理 「横田早紀江さんが…私はその場面をありありと覚えているが、私は信じないと、そのようなことは信じないと、めぐみは生きていると叫ばれた。それが私のこの問題に取り組む原点。」 北朝鮮は、横田めぐみさんら8人を死亡と説明していますが、それを裏付ける証拠は示されていません。石破総理は、G20やAPECなど直近の外交で各国首脳に対しても拉致問題を提起し、意見交換したと説明。先頭に立って金正恩総書記に呼びかけると強調しました。 ■石破総理 「長引けば長引くほど、日朝が新しい関係を築こうとしても実現は困難。実際に会いもしないで、見もしないで相手を非難していても始まらない。正面から向き合うことによって、この思いを実現していきたい。」 拉致被害者家族会の代表を務めるめぐみさんの弟・拓也さんは、変わらない状況にいらだちを隠せません。 ■めぐみさんの弟・拉致被害者家族会 横田拓也代表 「変わっていることがあるとすれば、被害者を待つ親世代が何人も他界し、無念を繰り返していることだけ。水面下交渉はどう進んでいるのでしょうか。拉致事件を解決すれば、日朝両国に明るい未来が描けることを石破総理が自らの言葉に熱量を込めて、金正恩総書記に語ってもらいたい。」 拉致被害者家族会は2024年2月、「被害者の親世代が存命のうちに、全拉致被害者の一括帰国が実現するならば、日本が北朝鮮にかけている独自制裁を解除することに反対しない」とする新たな運動方針を決定。タイムリミットが迫る中、再会を優先する『苦渋の決断』です。 さらに、拓也さんは石破総理が掲げる『ある政策』に疑問を投げかけます。 ◆石破総理の政策集より(自民党総裁選) 「帰国を実現するため、東京・平壌相互の連絡事務所開設など交渉の足掛かりを作る。」 ■めぐみさんの弟・拉致被害者家族会 横田拓也代表 「北朝鮮は厳重な監視国家です。拉致被害者のことを24時間、だれがいつどこで何をしているか把握しています。居場所がわからないといったウソの前提に立った提案に乗ることは、北朝鮮の工作に加担することに他ならない。」 日朝双方の連絡事務所の開設は、北朝鮮との関係改善を重視する観点から石破総理は拉致問題の解決にむけて主張していましたが、この日は言及しませんでした。これについては“身内”からも… ■拉致議連会長・自民党 古屋圭司衆院議員 「平壌の連絡事務所、これは時間稼ぎだけで全く解決の効果はない。あえて私が指摘させていただきたい。」 集会には1978年に佐渡市で拉致され、2002年に帰国を果たした曽我ひとみさんも参加。一緒に拉致され、いまだ安否がわからない母・ミヨシさんは、来月(12月に)93歳になります。 ■曽我ひとみさん 「母と半世紀近くもこの歳まで一度も会えないなんて、悔しくてたまらない。少しの時間でもいいので、親孝行をする時間を与えてください。」 これまでに集まった署名は、約1822万筆。 拉致被害者家族会が設立された1997年以降、総理大臣を務めたのは石破総理で13人目となります。 ■安倍元総理 「拉致問題は、安倍内閣の最重要・最優先の課題であります。」 ■菅元総理 「拉致問題は、菅内閣においても引き続き最重要課題であります。」 ■岸田前総理 「最重要課題である拉致問題は重大な人権侵害であり、私自身条件を付けずにいつでも金正恩総書記と直接向き合う決意。」 ■石破総理 「首脳による戦略的な決断に基づく実行が事態を動かす。断固たる決意のもと、みなさんと連帯しながらこの問題の解決に向けて取り組む。」 ■めぐみさんの母・横田早紀江さん 「必ずみんなが元気で帰ってきて、みなさんありがとうと涙を流して皆さんに喜びを伝える日が必ず来る日を、私たちは信じて待ち望んでおりますのでよろしくお願いします。」