会場一丸、ゴール割らせず カターレ決勝進出 ラスト10分守り切る
●J2へあと一つ 12・7県総で悲願成就へ ラスト10分の猛攻をしのぎ、カターレ富山が1日、J2昇格プレーオフ決勝への切符をつかんだ。引き分けでも勝ち上がれる条件の中、1―1で始まった後半は防戦一方となり、気合で守る選手を5101人の観客が後押しし、会場一丸でFC大阪にゴールを割らせなかった。ゴール裏には「J2まであとひとつ」のメッセージが掲げられた。悲願成就の舞台は「12・7県総」に決まった。 【写真】決勝進出に沸く富山サポーター 「すごく大変なゲームだった。5千人を超えるお客さんの後押しがあって、次のステージに進むことができた」。小田切道治監督は安どの表情を浮かべ、県総(富山県総合運動公園陸上競技場)のサポーターへの感謝を口にした。 相手のパワーあふれる攻めに苦しみ、なかなか自分たちのペースに持ち込めなかった。終盤は完全に押し込まれ、逆転の場面を何度も招いた。 それでも2失点目は許さなかった。「技術どうこうでなく全員が強い気持ちを持っていた。それが守っていて伝わったし、ハードワークできた」とGK田川知樹選手。途中出場した富山市出身のDF鍋田純志選手は「スタジアムの雰囲気も守り切れた要因」と振り返り、ホームのアドバンテージを生かしてつかんだ「勝利」を強調した。 勝つことだけを考えていたとはいえ、引き分けでも決勝進出の条件は選手の心を揺さぶった。左サイドバックのDF安光将作選手は「勝ちに行ったが、後半は引き分けでもいいという意識もどこかにあり、すごく難しいゲームだった」と胸の内を明かした。 サポーターの歓声を背に走りきった安光選手は「最後ゴールを許さなかったのはみんなの気合が9割。次も難しいゲームになるが、勝つための準備をしっかりしたい」と7日の大一番に臨む。 前半、ヘディングで先制ゴールを決めたMF布施谷翔選手は「ボールに当たったことしか分からず、みんなの歓声で気付いた。昇格するために富山に来た。勝って昇格する」と決意を示した。上市町出身のFW碓井聖生選手は「次が勝負。貪欲にゴールを狙っていきたい」と力を込めた。 ●富山出身の大阪・舘野「本当に悔しい 来週は応援」 FC大阪のDF舘野俊祐選手は富山市出身でカターレに在籍していた。舘野選手は「本当に悔しい」を繰り返した一方、「富山に帰ってきてプレーできたのはうれしかった。来週はカターレを全力で応援すると、富山サポーターに伝えました」とすがすがしい表情でスタジアムを後にした。