井上尚弥も困惑?!IBFからの指名試合通達でカシメロ本命も急転次戦相手が混沌
プロボクシングのWBA世界バンタム級スーパー、IBF世界同級王者の井上尚弥(26、大橋)の次戦が混沌としてきた。大橋秀行会長は13日、新宿の紀伊国屋書店で初の著書「最強モンスター井上尚弥はこうして作ったーー5人の世界チャンピオンを育てた大橋流マネジメント術」(祥伝社)のトーク&サイン会を行い、その席で来年4月に米国ラスベガスで予定されている次戦の相手としてIBFから同級1位のマイケル・ダスマリナス(27、フィリピン)との指名試合を指令され、30日以内に交渉することを命じられていることを明かした。当初、WBO同級王者のジョンリル・カシメロ(30、フィリピン)との統一戦が本命だったが、一転、井上陣営を困惑させる状況になった。 井上尚弥は12日に都内の病院で、WBSS決勝(先月7日)のノニト・ドネア(37、フィリピン)戦で負った右目眼窩底骨折の再検査を行った。「経過は良好」で眼球の動きにも問題がなく視力も落ちていないという。当初、4週間安静の診断が下されていたが、1月中のスパーリング再開にGOサインが出た。モノが二重に見える状態はなくなっていたため手術せずの保存治療を選択していた。大橋会長は、来年2月にキャンプを行い、4月の次戦に向けて調整するスケジュールを確認したという。 懸念された問題がひとつ解決したが、新たな問題も発生した。大橋会長は、IBFから同級1位、ダスマリナスとの指名試合の指令通達が届いていることを明かした。WBSSの期間中は、各団体が指名試合を回避して協力していたが、大会が終わったことでIBFから1位のダスマリナスとの指名試合の交渉を30日以内にまとめることを指令された。当初、WBO世界同級王者となったカシメロとの3団体統一戦を次戦の最大のターゲットとしていた井上陣営にしてみれば困惑の指令である。 「IBFは厳しいからね。(IBFの指名を受ける可能性が)ゼロってことはない。ただベルトより相手でしょう。今でいうとカシメロが一番。ただ、こういう指令がくると、それだけにこだわらず、マロニー、ダスマリナス、カシメロら4人くらいが候補にあがっている」と大橋会長。対戦候補にはダスマリナスだけでなくWBA同級3位で、WBSSの1回戦でエマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)に敗れているジェイソン・マロニー(28、豪州)も含めた4選手の名前が挙がっているという。 井上はトップランク社と契約しており、マッチメイクもトップランク社との話し合いで進めていくが、「IBFなのか、やりたい方なのか、こっちで決めることができる」と大橋会長は、決定権は大橋陣営にあることを明言した。