ドジャース、プレーオフ進出決定も募る不安…短期決戦に不可欠なメンバーを徹底考察!【コラム】
ミドルリリーフはそれぞれの弱み・強みを把握して役割分担すべし
ダニエル・ハドソン、ブレイク・トライネン、アンソニー・バンダ、ライアン・ブレイジャーの4人はフィリップス、コペックほどのスペックは無く、ミドルリリーフとしての運用をされるだろう。そこでこの4人はそれぞれの強みを利用して運用すべきだ。 バンダとブレイジャーについては対左打者と対右打者で成績が大きく差がつく。バンダは左に強く、ブレイジャーは右に強い。”3バッターミニマムルール” により打者ごとに投手を変えることはできないが、相手打線をよく見て起用することが必要だ。
ブルペン陣のジョーカーは…?
ハドソンはシーズン序盤から安定して活躍を続けており、三振率・四球率共にリーグ平均を上回っている。大崩れしないのが魅力だが、平均打球初速、バレル率、ハードヒット率などの指標が悪い。 これは即ち強打を打たれることが多いことを示している。故にハドソンにはすこし失敗しても大丈夫なように、ピンチを引き継ぐのではなく、7回や8回など”この回を任せました”のような起用が適任だと思う。 ハドソンの逆の特性を持っているのがトライネンだ。トライネンの今季のLOB%(残塁率)は89.2%と30イニング以上投げたリリーフ投手の中ではメジャー4位の数字だ。 ブルペンのジョーカーとなる?グラテロルの存在 ブルスダー・グラテロルは今季、肩の炎症によりほとんど登板できていない。ポストシーズンまでの調子次第にも変わってくるが、過去の実績を踏まえればロースター入りの可能性は高い。 グラテロルは三振を量産するタイプではないが、最速103マイル(約165キロ)のシンカーと大きく曲がり落ちるスライダーでゴロを積み上げていく投手だ。剛腕にありがちなコマンド不足もない。 昨季のブルペンではセットアッパーやクローザー代理を務めており経験もある。過去3年のポストシーズンでも14.1回で1失点と勝負強さも持ち合わせている。このグラテロルがどんな働きを見せるかにも注目したい。 最後の1枠は誰に行く…? ここまでコペック、フィリップス、ベシア、ハドソン、トライネン、バンダ、ブレイジャー、グラテロルの8人を挙げたが、NLDSは日程的に先発が5人も必要ない。 そこでブルペンに人員をもう1人割くことができそうだ。現在故障中のジョー・ケリー、ロースターにいるニック・ラミレス、ブレント・ハニーウェルなどもいるが、この3人は制球力や球質不足など難点が多い。そこでぜひともロースター入りに推したいのが以下の二人だ。 ■マイケル・グローブ 36試合で防御率5.05と見栄えは良くないグローブだが、深く分析してみるとそれ程悪くないことが分かる。 四球・三振・ホームランから算出する疑似防御率FIPは3.74、打球速度などから算出する防御率期待値xERAも3.34と防御率5点台からは良くなったことが分かる。 速球系の球速は94マイル(約151キロ)と速くはないが、変化球ではスライダーの空振り率33.3%と良い。先発経験もあり、1イニングから複数イニングまでカバーできるのも魅力だ。 ■エドガード・ヘンリケス 今季シングルAからトリプルAまで一気に昇格したのがヘンリケスだ。メジャー経験はない22歳だが、持っているモノは素晴らしい。平均99マイル(約159キロ)のフォーシームと92マイル(約148キロ)のカッターを投げる。 全球に占める空振りの割合を示すSwStr%はそれぞれ17.1%と20%でメジャーに換算するとトップクラスに位置する。40-man外のためロースター入りの可能性は低いが、ルール上は故障者特例を使えば可能なので、今後の動きに注目したい。 ゴロを積み上げるシンカー、空振りを量産するスイーパーと武器も多様で、バッターも適応が難しい投手でもある。トライネンにはハドソンとは逆にピンチを引き継ぎ、イニングを終わらせる”ファイアマン”の役割が適切だと考える。
ベースボールチャンネル編集部