井上尚弥の無双はどこまで続くのか 25年は米国&サウジアラビア連戦計画...識者は「巨額ファイトマネー」に注目
プロボクシングのスーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋、31)は、2024年も強かった。 【動画】井上VSネリ戦、ハイライト ■「井上はメンタル的にも技術的にも充実している」 5月6日に東京ドームで元世界2階級制覇王者ルイス・ネリ(メキシコ、30)を6回TKOで破り、9月には元IBF世界同級王者テレンス・ジョン・ドヘニー(アイルランド、38)を7回TKOで下して王座防衛に成功した。 24年は2人の元世界王者を倒して2連勝。これでデビュー以来負けなしの28戦全勝(25KO)とした。 すでに世界のトップボクサーとして世界中のボクシングファンに知られる「モンスター」。さらなる飛躍が期待される25年はどのような年になるのか。 J-CAST編集部は、数多くの世界戦をプロモートしてきたTMKジムの金平桂一郎会長(59)に、24年を振り返りつつ、25年の展望を聞いた。 金平会長は、24年の井上の印象を、こう表現した。 「ネリ戦でダウンがあったが、おおむね『井上尚弥強し』ということが、さらに確認された1年だったと思います。ダウンした後の対処を含めて、強さ見せた。1ラウンドにまさかのダウンを喫しても、本人が一番冷静でした。そして、ダウンの後、快勝した。メンタル的にも技術的にも充実している。ドヘニー戦も安定した強さを見せました」
25年はWBC世界バンタム級王者・中谷潤人との対戦はなし
日本人ボクサーとして初めて東京ドームでメインを務めたネリ戦。世界中の注目が集まる中、井上は1ラウンドにネリの左フックでダウンを喫した。プロ入り後、初となるダウンだった。絶対王者のまさかのダウン。ファンの不安をよそに、リング上の井上は冷静そのものだった。 ダメージを引きずることなく、2ラウンドにダウンを奪い返すと、5ラウンド、6ラウンドにもダウンを奪い、結局6回TKOでネリを破った。再三にわたり挑発されてきた「因縁」の相手に逆転TKOで勝利。金平会長は、ネリ戦勝利の意義を、次のように解説した。 「ネリを倒す前からスーパーバンタム級では敵がいないと思っていたが、ネリを破って、なおのことその印象を深くした。『やっぱりね』と。1ラウンドのダウンは不覚の一発で、その後の対処を間違えると、もしからしたらネリに持っていかれた可能性もあった。そこを冷静にうまく対応した。パンチが効いてダメージはあったと思うが、揺るがなかった。そういうところを含めた強さだと思います」 24年の試合は、9月のドヘニー戦が最後となったが、当初の予定では、12月24日にWBO・IBF世界同級1位サム・グッドマン(オーストラリア、26)との防衛戦を予定していた。ところが、グッドマンが練習中に左目上をカットし、試合は1か月延期となった。 25年の初戦は1月24日のグッドマン戦となる。スポーツ紙の報道によると、春に米ラスベガス、秋にサウジアラビアでの試合が予定されている。 25年は3試合が見込まれている。この中には、注目されているWBC世界バンタム級王者・中谷潤人(26)との対戦はないという。井上が所属する大橋ジムの大橋秀行会長(59)が明らかにしたのもので、実現するとしたら26年以降になるようだ。